固定長期適合率(読み)コテイチョウキテキゴウリツ

デジタル大辞泉 「固定長期適合率」の意味・読み・例文・類語

こてい‐ちょうきてきごうりつ〔‐チヤウキテキガフリツ〕【固定長期適合率】

自己資本固定負債合計長期資本)に対する固定資産割合財務の健全性を判断するための指標の一つで、数値が低いほど安全性が高い。→固定比率
[補説]固定資産が自己資本の範囲内で賄われているかをみる固定比率に対し、固定長期適合率では、自己資本に加えて、返済期間の長い長期借入金社債などの固定負債も考慮する。固定長期適合率が100パーセントを超えている場合、固定資産の調達に返済期限が1年以内の流動負債を使用していることになり、資金繰りが厳しいと判断される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「固定長期適合率」の意味・わかりやすい解説

固定長期適合率
こていちょうきてきごうりつ

企業がその規模に見合った設備投資をしているかどうかをみる財務指標。長期固定適合率ともいう。工場や本社ビルなどの固定資産に投じた金額を、会社のなかに長期的にとどまっている資金でどの程度まかなっているかを示す。具体的には、貸借対照表にある固定資産額を、自己資本(株主資本、過去の利益蓄積など)と固定負債(長期借入金や社債など)の合算額で割ったうえ100を掛けて算出する。単位は%。数値が低いほど財務の健全性が高いことを意味し、通常80%以下であれば良好とされる。

 一般に固定資産は企業が事業を進めていくために使い、事業からあがる収益で回収される必要があるため、長期性資金(長期借入金、社債、株主資本など)でまかなうのが原則である。固定長期適合率が100%を超えると、設備資金の一部を短期借入金に依存していることを意味し、資金繰りが厳しくなっている状況を示す。日本の企業の場合、全産業平均で80%台、製造業平均では70%台にあるとされる。

 固定資産は長期に使用するため、負債ではなく、自己資本でまかなうべきであるとの考え方が欧米では定着しており、固定資産を自己資本で割って算出する「固定比率」という概念を使うことが多い。ただ、電力会社や鉄鋼メーカーなどは膨大な設備投資が必要で、借入金に頼らざるをえない面がある。このために日本では産業の実態にあわせた財務指標として固定長期適合率を使う場合が多い。

[編集部]

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株式公開用語辞典 「固定長期適合率」の解説

固定長期適合率

貸借対照表から財務の安全性(健全性)をみるための一指標。企業の資金源泉と資金使途との適合状況を分析しようとするもの。多くの企業は、設備等の資産に投資するための資金を、株式の発行等による株主資本のみによって賄うことができず、銀行等からの借入や社債等を発行して(=固定負債)賄っている。そのために、固定比率は100%を超えている。そこで、日本の実情に即した財務の安全性を検討するためには、固定比率よりも、固定負債をも考慮した固定長期適合率が適当であると考えられている。この指標は、低ければ低いほど好ましい。

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会計用語キーワード辞典 「固定長期適合率」の解説

固定長期適合率

調達した資本の運用の適切さを示す指標が固定長期適合率です。固定長期適合率=(固定資産/(固定負債+自己資本))×100%長期で使用する固定資産は、長期性の資本でまかなうのがよいといわれているため比率が低ければ低いほど安全だといわれている。

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