デジタル大辞泉
「国包」の意味・読み・例文・類語
くにかね【国包】
[1592~1665]江戸初期の刀工。仙台の人。山城大掾を受領し、後年は用恵と号した。
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くにかね【国包】
- 江戸初期の刀工。初代。本郷源蔵と称する。仙台の人。守正俊に師事。山城大掾を受領。寛永一五年、入道して用恵と号した。大和伝(やまとでん)の柾目鍛に直刃(すぐは)の作風を示している。文祿元~寛文四年(一五九二‐一六六四)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
国包(初代) くにかね
1592-1665* 江戸時代前期の刀工。
文禄(ぶんろく)元年生まれ。伊達政宗(まさむね)の命により,慶長19年京都の正俊(まさとし)に入門。元和(げんな)5年帰郷,仙台藩お抱えとなる。刀鍛冶(かじ)本郷家の祖。寛永5年の「山城大掾(やましろのだいじょう)藤原国包」銘の刀が重文に指定されている。寛文4年12月3日死去。73歳。陸奥(むつ)宮城郡出身。通称は源蔵,吉之允(きちのすけ)。法名は仁沢用恵(にんたく-ようけい)。
国包(6代) くにかね
1694-1727 江戸時代中期の刀工。
元禄(げんろく)7年生まれ。4代国包の長男。宝永4年5代の病死により14歳で仙台の刀鍛冶(かじ)本郷家をつぎ,6代国次(くにつぐ)に技法をまなんだ。享保(きょうほう)12年8月22日死去。34歳。通称は権十郎。
国包(7代) くにかね
1701-1741 江戸時代中期の刀工。
元禄(げんろく)14年生まれ。6代国包の弟。正徳(しょうとく)5年仙台の刀鍛冶(かじ)本郷家をつぐ。江戸の法城寺国吉(くによし)の門人。寛保(かんぽう)元年9月9日死去。41歳。通称は源十郎。
国包(2代) くにかね
1612-1672 江戸時代前期の刀工。
慶長17年生まれ。正保(しょうほ)2年仙台の刀鍛冶(かじ)本郷家をつぐ。銘は「山城守(やましろのかみ)藤原国包」など。寛文12年7月2日死去。61歳。通称は源次郎,吉左衛門。
国包(11代) くにかね
1767-1816 江戸時代中期-後期の刀工。
明和4年生まれ。10代国包の義弟。仙台の包光(かねみつ)・包幸(かねゆき)父子にまなび,本郷家をつぐ。文化13年3月29日死去。50歳。初名は三之助。通称は源蔵。
国包(9代) くにかね
1736-1763 江戸時代中期の刀工。
元文元年生まれ。8代国包の弟。仙台の6代包蔵(かねくら),江戸の法城寺国吉(くによし)にまなぶ。宝暦5年本郷家をつぐ。宝暦13年6月19日死去。28歳。通称は半蔵。
国包(10代) くにかね
1758-1786 江戸時代中期の刀工。
宝暦8年生まれ。9代国包の甥(おい)。仙台の包幸(かねゆき),江戸の正秀(まさひで)にまなぶ。宝暦13年本郷家をつぐ。天明6年6月25日死去。29歳。通称は源之助。
国包(4代) くにかね
1657-1702 江戸時代前期の刀工。
明暦3年生まれ。3代国包の弟。兄の隠居により元禄(げんろく)10年仙台の刀鍛冶(かじ)本郷家をつぐ。3代に先だち,元禄15年8月19日死去。46歳。通称は源十郎。
国包(13代) くにかね
1820-1880 江戸後期-明治時代の刀工。
文政3年生まれ。嘉永(かえい)元年仙台の刀鍛冶(かじ)本郷家をつぐ。明治9年の廃刀令布告後は,米屋に転業した。明治13年6月16日死去。61歳。通称は栄助。
国包(12代) くにかね
1800-1848 江戸時代後期の刀工。
寛政12年生まれ。直胤(なおたね)の門下。文化12年仙台の刀鍛冶(かじ)本郷家をつぐ。弘化(こうか)5年2月22日死去。49歳。通称は源兵衛。
国包(5代) くにかね
?-1707 江戸時代前期-中期の刀工。
元禄(げんろく)15年死去した4代国包の養子となり,仙台の刀鍛冶(かじ)本郷家をつぐ。宝永4年7月7日死去。初名は包行。通称は三郎兵衛。
国包(8代) くにかね
1732-1754 江戸時代中期の刀工。
享保(きょうほう)17年生まれ。寛保(かんぽう)2年仙台の刀鍛冶(かじ)本郷家をつぐ。宝暦4年7月10日死去。23歳。通称は吉右衛門。
国包(3代) くにかね
1633-1705 江戸時代前期の刀工。
寛永10年生まれ。延宝元年仙台の刀鍛冶(かじ)本郷家をつぐ。宝永2年11月7日死去。73歳。通称は源次郎。
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世界大百科事典(旧版)内の国包の言及
【刀鍛冶】より
…しかし,桃山時代になると刀工の分布状態は一変し,新たに発展した城下町や商業都市に刀工は集まり,藩の抱え鍛冶として禄を与えられた刀工も現れた。将軍家の下坂康継,仙台伊達家の国包(くにかね),加賀前田家の兼若,安芸浅野家の輝広,肥前鍋島家の忠吉はその代表的な刀工であり,幕末まで代々その名跡と技術を継承している。1876年の廃刀令により刀鍛冶の歴史は閉じるが,その間,刀工の数は2万4000に達するという。…
※「国包」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」