統制経済を実施するため、私企業の所有形態には変化を加えず、その経営管理を国家が強制的に一元化して支配すること。日本では、第二次世界大戦中、軍需産業において軍管理工場のような形で広く行われた。また、戦後も、経済復興のため、電力と炭鉱について国家管理が行われた。戦時中の国家管理は、戦争目的遂行のための総動員的性格のものであったが、戦後のそれは、民主化の色彩を強く加えながら傾斜生産方式を実施するためのものであり、両者は性格をかなり異にしていた。しかし、いずれの場合も、国家管理の実態はかならずしも成功したとはいえず、官僚的統制の放漫さが強く現れた。なお社会主義国では国家管理が経済の中軸を構成したため、同様の欠陥が露呈され、体制の崩壊につながった。
[森本三男]
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