国家管理(読み)コッカカンリ

デジタル大辞泉 「国家管理」の意味・読み・例文・類語

こっか‐かんり〔コクカクワンリ〕【国家管理】

国家またはその機関企業などの経営活動に介入して管理を行うこと。

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精選版 日本国語大辞典 「国家管理」の意味・読み・例文・類語

こっか‐かんりコクカクヮンリ【国家管理】

  1. 〘 名詞 〙 公権力が私的活動を規制し、国家的目的もとに管理すること。国家の機関が私企業その他通常は国家が間接にしか監督しない団体大学など)の運営に介入し、その直接的な管理にあたること。国管。
    1. [初出の実例]「一部の炭鉱の国家管理をやろうとは〈略〉われわれも考えていたところであるから」(出典:湛山回想(1951)〈石橋湛山〉九)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国家管理」の意味・わかりやすい解説

国家管理
こっかかんり

統制経済を実施するため、私企業の所有形態には変化を加えず、その経営管理を国家が強制的に一元化して支配すること。日本では、第二次世界大戦中、軍需産業において軍管理工場のような形で広く行われた。また、戦後も、経済復興のため、電力炭鉱について国家管理が行われた。戦時中の国家管理は、戦争目的遂行のための総動員的性格のものであったが、戦後のそれは、民主化の色彩を強く加えながら傾斜生産方式を実施するためのものであり、両者は性格をかなり異にしていた。しかし、いずれの場合も、国家管理の実態はかならずしも成功したとはいえず、官僚的統制の放漫さが強く現れた。なお社会主義国では国家管理が経済の中軸を構成したため、同様の欠陥が露呈され、体制崩壊につながった。

[森本三男]

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