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国師 こくし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国師
こくし

国の民の師あるいは国王の師という意味で高僧につけられた尊称。朝廷から下賜されたもので,中国では北斉文宣帝のときに法常に与えられたのが最初で,日本では花園天皇正和1 (1312) 年,東福寺円爾弁円聖一国師の号を賜わったのが初めである。多くは禅宗の高僧に賜わった。また奈良時代国分寺国分尼寺が制定されたときに,同時に諸国の僧尼を統領するために定められた職名をさす場合もある。

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デジタル大辞泉の解説

こく‐し【国師】

奈良時代の僧の職名。大宝令により、諸国に置かれ、僧尼の監督、経典の講義、国家の祈祷(きとう)などに当たった。のちに講師(こうじ)と改称。
天皇に仏法を説き伝える法師。
禅宗をはじめ律宗・浄土宗の高僧に、朝廷から贈られた称号。「夢窓国師

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世界大百科事典 第2版の解説

こくし【国師】

(1)日本古代の僧官。702年(大宝2)諸国に置かれた。原則として各国1人。中央より派遣されて,国司とともに管内の僧尼・寺院の監督など宗教行政をつかさどった。奈良時代の後半には大国師,少国師に分かれ,員数が漸増したが,795年(延暦14)講師(こうじ)と改称された。(2)国家の師表たる高僧に与えられる称号インド西域においてこの称号が行われていたことは《出三蔵記集》などに見えるが,中国では北斉の法常がうけたのを最初とし,朝鮮や日本でも行われた。

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大辞林 第三版の解説

こくし【国師】

律令制下の僧侶の役職名。朝廷から諸国に遣わされ、寺院や僧尼の監督、経典の講説などにあたった。のち講師こうじと改称。
天皇に仏法を説く高僧。
国家の師表たるべき高僧に与えられた称号。日本では、1312年、東福寺の開山円爾えんにに追賜したのが始まり。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国師
こくし

僧の尊称。国の師表という意。賜号としては中国・北斉(ほくせい)の法常(ほうじょう)(567―645)が最初で、高麗(こうらい)の義天(ぎてん)(1055?―1101)にも大覚(だいがく)国師の号がある。日本では国分寺制度が創設されて以来、諸国に置かれた僧官の名で、寺院や僧尼の監督、経論の講説、国家の祈祷(きとう)にあたった。中世以降は天皇の帰依(きえ)を受けた高僧に与えられた称号で、多くは五山臨済(りんざい)僧が受け、賜号としては禅師号の上。1312年(正和1)円爾(えんに)が花園(はなぞの)天皇より聖一(しょういち)国師を賜ったのを初めとする。[石川力山]

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世界大百科事典内の国師の言及

【僧官】より

…その後,645年(大化1)十師(じつし)に改まったが,律令制の施行にともない683年(天武12)僧正,僧都,律師からなる僧綱(そうごう)が成立した。これは中央の僧官であるが,701年(大宝1)諸国に国師が任ぜられ,地方の仏教界の統制にあたった。僧綱の構成員は,時代の経過とともに大僧正,僧正,大僧都,少僧都,律師に分かれ,国師は平安初期に講師(こうじ),読師に改称された。…

※「国師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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