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土地収用 トチシュウヨウ

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デジタル大辞泉の解説

とち‐しゅうよう〔‐シウヨウ〕【土地収用】

特定の公益事業に必要な土地に対し、国や地方公共団体などが、法律に定める事柄に基づいて、その所有権・使用権を所有者から強制的に取得すること。また、その行政処分

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

土地収用

道路や学校など公共事業を進める際、土地の所有者が分からなかったり、交渉がうまくいかなかったりした場合、自治体は補償金を払って私有地を強制的に取得することができる。事業が公益性をもつかどうかの事業認定を国や都道府県が行い、各県に置かれた収用委員会が補償額や明け渡しの期限を決める。都市計画事業の場合、事業認定の手続きは不要。

(2014-10-07 朝日新聞 朝刊 宮城全県・1地方)

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世界大百科事典 第2版の解説

とちしゅうよう【土地収用】

特定の公共事業の用に供するために,他人の特定の土地所有権を強制的に取得することをいう。私有財産制の保障と表裏一体の関係をなすものとして,近代法治国家の憲法の下に成立した土地収用制度は,一方において公共の利益となる事業の遂行と,他方において私有財産の保護という二つの目的を調整する法制度である。損失補償は,土地収用の観念そのものの要素ではないが,それと切り離して考えることはできない。私有財産制を憲法が保障している以上,たとえ公共性の高い事業のためとはいえ,無補償でかつ公正な手続によることなく財産権を収用することは許されない。

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大辞林 第三版の解説

とちしゅうよう【土地収用】

特定の公共の利益となる事業に用いるため、国や地方公共団体などが強制的に土地の所有権や使用権などを取得すること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

土地収用
とちしゅうよう

公共事業のために必要な土地等を所有者等から強制的に取得すること。私有財産は正当な補償の下に公共のために用いることができるとする憲法第29条第3項に基づき土地収用法(昭和26年法律第219号)が、公共事業の遂行と私有財産の保障を調和させるため、その要件、手続、効果、損失補償を定めている。土地収用をする資格のある事業(収用適格事業)は、同法第3条に列記されているものと、都市計画法に定める都市計画施設の整備に関する事業、および市街地開発事業土地区画整理事業市街地再開発事業等)に限られ(都市計画法69条)、これ以外の事業ではそもそも土地収用はできない。もともとは公共事業の用地を取得するための制度であって(道路、公園、学校、河川、高圧線、鉄道など)、当該土地は最終的には公共の用に供されていたが、その後、住宅団地工業団地の造成事業のように事業完成後は私人に譲渡または賃貸され、その私的な利用に供されるものも、よりよい街づくりに寄与するという理由で収用適格事業とされている(公共的私的収用)。
 収用適格事業であるというだけでは抽象的に収用する資格があるというにとどまる。具体的に当該事業が土地を収用するに足るだけの公益性を有するかどうかは、事業認定の制度で国土交通大臣または都道府県知事が判断する。これは事業遂行の意思と能力、土地利用の適正かつ合理性、土地収用の公益上の必要性を審査する。事業認定がなされると、起業者(収用者)は土地物件を調査し、都道府県に置かれる収用委員会に裁決を申請することができる。裁決には権利取得裁決と明渡裁決がある。前者は、収用する土地の区域のほか、土地または土地に関する所有権以外の権利に対する損失補償および権利取得の時期について裁決する。後者は、収用する土地の引渡し、物件の収去およびこれに伴う損失補償についてする裁決で、権利取得裁決以外の損失補償と明渡しの時期について裁決される。権利取得裁決がなされ、起業者が裁決で定められた権利取得の時期までに補償義務を履行したときは、起業者は権利取得の時期において土地所有権等を取得し、これと両立しない権利および拘束はすべて消滅する。明渡裁決があると、土地または当該土地にある物件を占有している者は、明渡しの時期までに、起業者に収用された土地を引き渡し、収用する必要のない物件を収用地外に移転しなければならない。その義務の履行がないときは、起業者は市町村長または都道府県知事に対して代執行を請求することができる。
 収用委員会の裁決に不服のある者の救済方法は、収用する土地の区域に関する公益的裁決事項と、損失補償に関する私益的裁決事項により異なる。前者は、国土交通大臣に対して審査請求をすることもできるし取消訴訟を提起することもできる。後者は、起業者と土地所有者の間の私的事項であるとして審査請求を認めず、土地所有者と起業者の間で争う(形式的当事者訴訟)ことになる。裁決書の正本の送達を受けた日から前者は3か月以内に、後者は6か月以内に提起しなければならない。なお、「公共用地の取得に関する特別措置法」(昭和36年法律第150号)では、特定の高速自動車国道または一般国道、鉄道のうち一定の重要な区間、重要な空港(成田国際空港、東京国際空港、関西国際空港、中部国際空港)など、公共の利害にとくに重大な関係のある特定公共事業について、事業の円滑な遂行のため土地収用法の特例を定めている。
 なお、事業の公益性については、事業認定の段階で決着がついたものとして、収用委員会では審理しないたてまえであったが、現実には収用委員会の審理段階で、事業の公益性がないとの主張がなされて、審理が混乱することがあった。そこで、2001年(平成13)の土地収用法改正により、事業認定段階であらかじめ社会資本整備審議会等の意見を聴き、その意見を尊重しなければならない(土地収用法25条の2、34条の7)として、事業認定の客観性を確保しようとするかわりに、収用委員会では、損失の補償に関して自己の権利が影響を受ける限度で意見書を提出することができるものの、事業認定に関する不服を主張することはできない(同法43条2項、3項)ことが明示された。
 ただし、収用されたあとの取消訴訟では、事業認定の取消訴訟を提起していなくても、事業認定の違法を主張することができる。これは、収用裁決の違法性が、その前提となる事業認定の違法性を承継したもの(違法性の承継)と解されるためである。[阿部泰隆]

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世界大百科事典内の土地収用の言及

【土地問題】より

…したがって土地所有権に対する社会的介入とは,これらの自由に対する制限にほかならない。その制限は具体的には,土地利用規制,土地租税,土地収用の形をとる。すなわち使用の自由は原則として認められるが,その自由は社会が合理的と判断する土地利用計画に従わなければならず,収益の自由は認められるがその収益のうちから一定の税を納めることが義務づけられる。…

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