日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際新聞編集者協会」の意味・わかりやすい解説
国際新聞編集者協会
こくさいしんぶんへんしゅうしゃきょうかい
International Press Institute
プレス(報道)の自由の擁護、諸国間のニュースの交流促進、職業水準の向上を通じ、国際理解と平和に寄与することを目的として、1951年設立された国際団体。略称IPI。1930年代の全体主義的傾向のなかでプレスが弾圧され、第二次世界大戦後、共産圏諸国などで言論の自由が拡張されない状況を踏まえて、『ニューヨーク・タイムズ』のレスター・マーケルの呼びかけで創設されたもので、日本からは『毎日新聞』の本田親男(ちかお)が設立に参加した。言論の自由を守る新聞、雑誌で編集方針に責任をもつ人物を会員としたが、のちに放送人も参加している。また、支局長、特派員などの加盟も認めるようになった。ニュース交流などの調査、弾圧への抗議、会報『IPI Global Journalist』(季刊)を発行するほか、年次総会や2国間セミナーの開催、アジア、アフリカのジャーナリスト訓練計画を実施してきた。日韓、日米の編集者会議もIPIの斡旋(あっせん)で始まった。会員は126か国に約2000人(2011)。南東ヨーロッパのメディアの自由を監視するため、姉妹組織SEEMO(South East European Media Organization)を設立。本部はウィーン。
[小松原久夫]