園田高弘(読み)ソノダ タカヒロ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「園田高弘」の解説

園田 高弘
ソノダ タカヒロ


職業
ピアニスト

肩書
昭和音楽大学名誉教授 日本芸術院会員〔昭和55年〕

生年月日
昭和3年 9月17日

出生地
大分県 大分市

出身地
東京

学歴
東京音楽学校ピアノ科〔昭和23年〕卒

経歴
4歳からピアニストで絶対音感早期教育を導入した父・清秀に手ほどきを受け、昭和14年から父の師でもある名ピアニストのレオ・シロタに師事。23年東京音楽大学(東京芸術大学)を卒業、日比谷公会堂でデビューリサイタルを開く。26年作曲家の武満徹や評論家の秋山邦晴らと先鋭的な芸術集団“実験工房”を結成、数多くの現代音楽の日本初演を手がけた。27年渡欧、マルグリット・ロンの指導を受ける。29年初来日したヘルベルト・フォンカラヤン指揮のNHK交響楽団共演、実力を認められ、32年カラヤンの勧めにより再び渡欧。34年ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の定期公演にソリストとして出演、ベートーベンの「皇帝」を共演して成功を収めた。カラヤンとフルトベングラー後継を争った指揮者チェリビダッケとも共演し、2人と共演した唯一の日本人となった他、クリュイタンス、サヴァリッシュといった名指揮者たちとも次々に共演し、楽譜を深く読み込んだ緻密な解釈と、堅固な構成感を芯とした重厚な演奏で日本人国際的ピアニストの草分けとして活躍。43年日本人として初めてベートーベンのピアノソナタ全曲を演奏・録音、のち2度の再録音を行うなどドイツ音楽の権威として知られた。57年帰国。京都市立芸術大学教授、昭和音楽大学教授を務めた他、ルービンシュタイン国際ピアノコンクール、ジュネーブ国際ピアノコンクールなどの審査員も歴任。55年芸術院会員。60年園田高弘賞ピアノコンクールが創設され、選考委員を務めた。平成10年文化功労者

受賞
日本芸術院賞〔昭和45年〕,文化功労者〔平成10年〕 毎日音楽賞〔昭和29年〕,モービル音楽賞(第7回)〔昭和52年〕,飛騨古川音楽大賞〔平成2年〕,サントリー音楽賞(第28回)〔平成7年〕

没年月日
平成16年 10月7日 (2004年)

家族
妻=園田 春子(作曲家),父=園田 清秀(ピアニスト)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「園田高弘」の意味・わかりやすい解説

園田高弘
そのだたかひろ

[生]1928.9.17. 東京,東京
[没]2004.10.7. 東京
ピアニスト。日本を代表するピアニストとして知られ,生涯現役として活躍した。1948年東京音楽学校を卒業,同年日本交響楽団(のちの NHK交響楽団)と共演してデビュー,1952~53年にはフランスでマルグリット・ロンに師事した。1954年ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮の NHK交響楽団と共演,1957年カラヤンの推薦を受けてドイツ連邦共和国(西ドイツ)に渡り,1980年代初頭まで西ドイツに本拠を置いた。この間,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とも数多く共演,アンドレ・クリュイタンスやセルジュ・チェリビダッケら名指揮者と共演した。ルートウィヒ・ファン・ベートーベンのピアノ・ソナタ全曲連続演奏会を 3度行なった。1950年代には,作曲家武満徹らと前衛的な芸術集団「実験工房」に参加した。1985年ルービンシュタイン国際ピアノコンクール審査員に就任後,多くの名だたる国際コンクールの審査員を務めた。1971年日本芸術院賞,1997年サントリー音楽賞を受賞。1980年日本芸術院会員,1998年文化功労者。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「園田高弘」の解説

園田高弘 そのだ-たかひろ

1928-2004 昭和後期-平成時代のピアニスト。
昭和3年9月17日生まれ。豊増昇,レオ=シロタらに師事。昭和29年来日中のカラヤンにみとめられて渡欧,ベルリン-フィルとの共演など日本人初の国際的ピアニストとして活躍。ベートーベンの演奏に定評があった。46年芸術院賞。55年芸術院会員。平成10年文化功労者。京都市立芸大教授,昭和音大教授を歴任,エリザベート王妃国際音楽コンクール,チャイコフスキー国際コンクールなどの審査員をつとめた。平成16年10月7日死去。76歳。東京出身。東京音楽学校(現東京芸大)卒。

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