六訂版 家庭医学大全科 「圧迫性視神経症」の解説
圧迫性視神経症
あっぱくせいししんけいしょう
Compressive optic neuropathy
(眼の病気)
どんな病気か
眼球から後方に延びる視神経が、頭蓋内の
原因は何か
症状の現れ方
一般には、片眼に数カ月にわたってゆっくりと進行する、無痛性の視力低下・視野異常として起こります。ゆっくりと進行すること、痛みがないことが他の視神経症と比較して特徴的です(ただし、副鼻腔の腫瘍の場合は痛みを伴うことが多い)。眼窩内の病変による場合は、
中心視力が低下することが多いのですが、視野
検査と診断
眼底検査では、進行すれば
症状・経過・眼底および視野検査・瞳孔反応などから圧迫性視神経症が疑われる場合、確定診断にはCT・MRIなどの画像診断が必須になります。動脈瘤など血管性病変が疑われる場合は、MRアンジオグラフィ(MRA)や脳血管造影が必要になります。
また蓄膿の手術歴があるか、甲状腺疾患を指摘されたことがあるかなど、十分な病歴聴取も診断の一助になります。
治療の方法
基本的には原疾患の
病気に気づいたらどうする
多くは片眼性・無痛性で、急激発症の形をとらないため、たまたま片眼を閉じてみたら見えにくいことに気づく場合がほとんどです。
ゆっくりではあるものの慢性進行性である点が重要で、そのような場合はできるだけ早く眼科で精密検査を受ける必要があります。
まず、眼科で視機能低下の原因となるような病変が眼内にないことを確認のうえ、画像診断を受けることと、耳鼻科や脳外科などとの連携が重要です。
田口 朗
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報