外印(読み)ゲイン

デジタル大辞泉 「外印」の意味・読み・例文・類語

げ‐いん【外印】

太政官だいじょうかんの印。「太政官印」と刻し、少納言が管理して、六位以下の位記および太政官文案などに用いた。官印。→内印

がい‐いん〔グワイ‐〕【外印】

げいん(外印)

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精選版 日本国語大辞典 「外印」の意味・読み・例文・類語

げ‐いん【外印】

  1. 〘 名詞 〙 太政官の印。官印。「太政官印」の印文がある。内印(天皇御璽)に対応する。大きさは方二寸半(約七・五センチメートル)。
    1. 外印
      外印
    2. [初出の実例]「外印〈方二寸半〉六位以下位記。及太政官文案則印」(出典:令義解(718)公式)

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改訂新版 世界大百科事典 「外印」の意味・わかりやすい解説

外印 (げいん)

公式令に定められている太政官の印。内印に対していう。印文は〈太政官印〉で,大きさは方2寸半(約7cm)と定められているが,時代により異なる。用法公式令では六位以下の位記および太政官の文案に捺すとあり,《令集解》ではさらに在京諸司に下す文書および詔勅に添えて,国に下す官符に捺すものと説明している。さらに《延喜式》では〈事に随い内外印を請へ〉として,内印を捺す場合を列記し,そのほかは外印を捺せとある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「外印」の意味・わかりやすい解説

外印
げいん

律令(りつりょう)制下の官印の一つ。太政官(だいじょうかん)の印章

[編集部]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「外印」の解説

外印
げいん

律令制下の印。天皇御璽(ぎょじ)を内印(ないいん)というのに対して,太政官印を外印とよんだ。印面は2寸半四方で,六位以下の位記と太政官の案文に捺される規定であった。内印よりも捺印手続きが簡単であったため,720年(養老4)以降は諸国に下す符のうち,小事については外印が捺されるようになった。内印と外印の使いわけについては「延喜式」に規定がある。

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世界大百科事典(旧版)内の外印の言及

【印章】より

…これは中国にならって印章の制度を整えようとしたもので,官印の私鋳を禁じ,宮内省の鍛冶司が鋳造して太政官庁を経て諸国・諸省その他の役所に頒布した。このほかの公印を令外(りようげ)印というのに対し,これを令制印と呼ぶ。印の制度は公式令(くしきりよう)に厳重に規定され,天皇印は内印と称し印文〈天皇御璽〉の4字を2行に篆書(てんしよ),陽刻,方3寸(8.7cm)で,外印は方2寸半(7.6cm)とされ,内印を最大としてこれを超すことは禁じられた。…

※「外印」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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