デジタル大辞泉 「御璽」の意味・読み・例文・類語
み‐しるし【▽御▽璽】
「天皇の―をたてまつる」〈允恭紀〉
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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天皇の印。角印で「天皇御璽」の4文字が刻まれている。養老令(ようろうりょう)に内印として規定されており、「おおみしるし」ともよばれた。材質は、普通、銅と錫(すず)の合金で、幕末までに幾度も改鋳された。御璽は少納言(しょうなごん)が監し、五位以上の位記と諸国に下す公文等に押された。明治維新後、1871年(明治4)新たに安部井音人(あべいおとひと)によって、金印の御璽がつくられた。角印で、大きさは方9.09センチメートル(3寸)、重さ3.55キログラム。御璽は、詔書、法律、政令、条約書、認証官以上の官記に、天皇の親署の下方に押される。戦前は、内大臣府が御璽を保管し、天皇の1泊以上の旅行には、内大臣秘書官が持参した。現在は、侍従職が御璽を国璽とともに保管し、御璽と国璽に関する事務を管掌している。
[村上重良]
内印(ないいん)とも。天皇の公印。「天皇御璽」を印文とする3寸四方の印。中国の律令法には皇帝八璽があったが,日本では天皇の印章を御璽のみとした。中国の璽は陰刻で封泥に用いるのに対し,日本では文書行政の開始当初から封泥の習慣はなく,御璽も陽刻で紙面に捺された。古代以来銅や石を素材に数度改刻されたが,現在は金印。1869年(明治2)運用についての御璽の制が定められ,改編をへて1907年の公式令で定着し,現在はこの規定を準用している。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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