御璽(読み)ギョジ

デジタル大辞泉 「御璽」の意味・読み・例文・類語

ぎょ‐じ【御璽】

天皇印章。天皇の行為であることの証明として、法律政令などの公布文や認証文に押される。玉璽御印ぎょいん

み‐しるし【璽】

皇位を示すしるし。三種の神器。特に、玉。
「天皇の―をたてまつる」〈允恭紀〉

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精選版 日本国語大辞典 「御璽」の意味・読み・例文・類語

ぎょ‐じ【御璽】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「璽」は帝王の印の尊称 ) 帝王の印形。天皇の印。三寸方形につくられる。現在、日本では詔書、親任官認証官の官記、親授・勅授の位記に用いる。また、詔勅などの末尾に天皇の印がしるされていることを表わす場合にもいう。玉璽。御印(ぎょいん)。〔広益熟字典(1874)〕〔史記‐始皇本紀〕

おおみ‐しるしおほみ‥【御璽】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おおみ」は接頭語 ) 天皇の御印。玉璽。

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普及版 字通 「御璽」の読み・字形・画数・意味

【御璽】ぎよじ

天子の印。〔史記、秦始皇紀〕長信侯(あい)亂を作(な)して覺(あら)はる。~王のび太后の璽を矯(いつは)りて、以て縣卒~を發し、將(まさ)に年(きねん)宮を攻めて亂を爲さんと欲す。之れを知り、~卒を發してを攻めしむ。

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百科事典マイペディア 「御璽」の意味・わかりやすい解説

御璽【ぎょじ】

天皇の印章。天皇の国事行為のうち詔書,法律,政令,条約,信任状などの公文書認証官以上の官記,四位以上の位記(位階を授けるとき発給する公文書)に押される。国璽とともに宮内庁が保管する。印文は〈天皇御璽〉。1874年以前は2寸7分角で銅材,それ以後は3寸角で金材。
→関連項目印章偽造罪宮内庁

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「御璽」の意味・わかりやすい解説

御璽
ぎょじ

天皇の印。角印で「天皇御璽」の4文字が刻まれている。養老令(ようろうりょう)に内印として規定されており、「おおみしるし」ともよばれた。材質は、普通、銅と錫(すず)の合金で、幕末までに幾度も改鋳された。御璽は少納言(しょうなごん)が監し、五位以上の位記と諸国に下す公文等に押された。明治維新後、1871年(明治4)新たに安部井音人(あべいおとひと)によって、金印の御璽がつくられた。角印で、大きさは方9.09センチメートル(3寸)、重さ3.55キログラム。御璽は、詔書、法律、政令、条約書、認証官以上の官記に、天皇の親署の下方に押される。戦前は、内大臣府が御璽を保管し、天皇の1泊以上の旅行には、内大臣秘書官が持参した。現在は、侍従職が御璽を国璽とともに保管し、御璽と国璽に関する事務を管掌している。

[村上重良]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「御璽」の解説

御璽
ぎょじ

内印(ないいん)とも。天皇の公印。「天皇御璽」を印文とする3寸四方の印。中国の律令法には皇帝八璽があったが,日本では天皇の印章を御璽のみとした。中国の璽は陰刻で封泥に用いるのに対し,日本では文書行政の開始当初から封泥の習慣はなく,御璽も陽刻で紙面に捺された。古代以来銅や石を素材に数度改刻されたが,現在は金印。1869年(明治2)運用についての御璽の制が定められ,改編をへて1907年の公式令で定着し,現在はこの規定を準用している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御璽」の意味・わかりやすい解説

御璽
ぎょじ

天皇の内印。 (1) 令制では方3寸の銅製で,「天皇御璽」の4字を篆刻する。5位以上の位記および諸国に下す公文書に押す。その請印は少納言が奏上して捺印を請い,勅許後,少納言監臨のもとに,主鈴が出納,捺印する。 (2) 1874年新たに金印,曲尺方3寸と定めたものが,今日用いられている。

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