内印(読み)ないいん

世界大百科事典 第2版の解説

ないいん【内印】

古代から近世まで用いられた天皇の印。外印(げいん)(太政官の印)に対するもの。〈公式令(くしきりよう)〉によって定められ,その印文は〈天皇御璽〉の2行4字である。大きさは方3寸(現行尺の約2寸9分,約8.8cm)とされ,銅製。製作ははじめ宮内省鍛冶司が担当し,のちに中務(なかつかさ)省の内匠寮でおこなわれた。何回か作りかえられ,奈良時代から江戸時代まで,実際に捺されたものをみると,一辺が8.8cmから8.5cmまで数種類ある。

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大辞林 第三版の解説

ないいん【内印】

天皇の印。大きさは方三寸で、印文は「天皇御璽ぎよじ」と二行に篆刻てんこくされる。五位以上の位記および諸国に下す公文書に使用された。 → 外印げいん御璽ぎよじ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

内印
ないいん

(りょう)制に定められた天皇の印章。印文は「天皇御璽(ぎょじ)」。官印は公式令(くしきりょう)で厳密に規定されており、大きさは三寸四方で、官印中最大のものである。『令義解(りょうのぎげ)』には五位以上の位記や諸国に下す公文(こうぶん)に押すと規定されている。[長塚 孝]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ない‐いん【内印】

〘名〙 天皇の印。三寸(約九センチメートル)平方で、「天皇御璽」の印文がある。少納言や中務省の主鈴がその管掌にあたり、五位以上の位記や諸国にくだす公文書などに押した。外印(げいん)(=太政官の印)に対していう。
※続日本紀‐和銅五年(712)一二月丁巳「有司奏。自今以後。公文錯誤。内印著了。事須改正者。少納言宜官長。然後更奏印上レ之」

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世界大百科事典内の内印の言及

【印章】より

…このほかの公印を令外(りようげ)印というのに対し,これを令制印と呼ぶ。印の制度は公式令(くしきりよう)に厳重に規定され,天皇印は内印と称し印文〈天皇御璽〉の4字を2行に篆書(てんしよ),陽刻,方3寸(8.7cm)で,外印は方2寸半(7.6cm)とされ,内印を最大としてこれを超すことは禁じられた。令制印は正方形,準公印(私鋳印)には正円・隅取など正方形以外の形もとられた。…

※「内印」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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