大分元町石仏(読み)おおいたもとまちせきぶつ

国指定史跡ガイドの解説


大分県大分市元町にある石仏。大分市街地の南側を東西に走る標高約70mの上野丘台地の東端に所在する。平安時代後期(11世紀中ごろ)の磨崖仏で、岩薬師と呼ばれる木造瓦葺き覆堂内の露出した凝灰岩の崖面に、薬師如来坐像を中心に、向かって左に不動三尊像、右に毘沙門天(びしゃもんてん)像が刻まれている。覆堂の右側崖面には、菩薩坐像を脇侍とする三尊形式の磨崖仏の痕跡がみられる。1934年(昭和9)に国の史跡に指定。薬師如来坐像は、高さ約3mで、ほとんど丸彫りに近い厚肉彫りで、頭上の肉髻(にっけい)には、粒のそろった螺髪(らほつ)が整然と刻まれる。幅広の両肩を蔽う衣のひだは浅く彫られている。蓮座上に結跏趺坐(けっかふざ)し、後壁には舟形光背が浅彫りされており、この完成度の高い像容は典型的な平安後期和様彫刻とされている。JR日豊本線ほか大分駅から大分バス「元町」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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