日本歴史地名大系 「大分元町石仏」の解説
大分元町石仏
おおいたもとまちせきぶつ
大分川の西岸、
本尊の薬師如来像は像高三メートル余の結跏趺坐像で、顔部・胸部の一部が欠損し手部が欠落しているものの、磨崖像のなかの傑作といえる。手部は別石でに差込む造りであったと考えられている。丸彫に近く量感豊かに彫出されており、丸みのある大きな螺髪・肉髻、ふっくらとした丸い頬に小さく結んだ唇の相貌には童顔を思わせるものがあるが、下方から見上げる表情は端正でむしろ厳粛ですらある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報