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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
オーストリアの作曲家マーラーが晩年に作曲した「テノールとアルト(またはバリトン)声部およびオーケストラのための交響曲」(副題)。連作歌曲と交響曲双方の性格をみごとに共存・融和させた作品である。『中国の笛』(ハンス・ベートゲ編訳)から李白(りはく)、王維(おうい)、孟浩然(もうこうねん)、銭起(せんき)の詩を選んで六楽章を構成。全体に世紀末のペシミズムと耽美(たんび)主義が支配し、それが東洋的な無常観と結び付いて独特の効果をあげている。1911年5月マーラーは没し、同年11月ブルーノ・ワルターの指揮でミュンヘンで初演された。
[三宅幸夫]
…歌曲では,民謡詩集《少年の魔法の角笛》による多数の歌曲,そして《亡き子を偲ぶ歌》(1901,04)などのリュッケルトの詩による後期の歌曲などがあるが,彼の音楽の真髄は生涯に残した10曲の巨大な交響曲にある。そこには6編の歌曲からなる《大地の歌》(1908)や,ラテン語とドイツ語のテキストによる膨大な《第8番》(1906)いわゆる《千人の交響曲》などの異色の作品が含まれている。彼は交響曲の形式で自己の包括的な世界観を表現しようとし,伝統的形式にとらわれることなくあらゆる手段を用いて交響曲の表現領域の拡大をはかった。…
※「大地の歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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