日本大百科全書(ニッポニカ) 「大日本国防婦人会」の意味・わかりやすい解説
大日本国防婦人会
だいにほんこくぼうふじんかい
満州事変下の1932年(昭和7)10月24日、軍部(とくに陸軍省)の指導、援助のもとに設立された戦争協力婦人団体。略称国防。前身は大阪の国防婦人会(32年3月18日設立)である。34年4月10日には総本部が結成された。同種の愛国婦人会が内務省主導であったのに対し、総力戦体制確立を目ざす軍部の意向を受けて、創立趣意書に「国難を打破し国防を安固にし以(もっ)て皇国興隆の為(ため)一生を捧(ささ)ぐるは日本婦人の使命」とうたうなど、ファシズム婦人運動の先頭にたった。会員は16歳以上の女子を対象とし、25歳以上または既婚女子を正会員として、工場、デパートなどの勤労婦人も組織した。太平洋戦争下の42年2月2日、他の婦人団体とともに大日本婦人会に統合された。
[米田佐代子]
『大日本国防婦人会総本部編刊『大日本国防婦人会十年史』(1943)』