大沢温泉(読み)おおさわおんせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大沢温泉」の意味・わかりやすい解説

大沢温泉(静岡県)
おおさわおんせん

静岡県賀茂郡松崎町にある温泉那賀(なか)川の支流池代川(いけしろがわ)のほとりに位置し、化粧の湯ともよばれ、露天風呂(ぶろ)もある。泉質硫酸塩泉山間の静かな温泉地で明和(めいわ)年間(1764~1772)から開かれたという。南伊豆特有の生子壁(なまこかべ)をもつ庄屋(しょうや)屋敷旅館となっている。シャクナゲで有名な長九郎山への登山口でもある。松崎町内、伊豆急蓮台寺、下田からバスの便がある。

[北川光雄]


大沢温泉(岩手県)
おおさわおんせん

岩手県中央部、花巻市にある温泉。豊沢川渓流に臨み、江戸中期に発見されたと伝えられる。湯治場であったが、近年では近代的な旅館が建ち、面目を一新した。渓流のほとりに露天風呂(ぶろ)があり、庶民的な憩いの場として親しまれている。泉質は硫黄泉。JR東北本線花巻駅からバスが通じる。

[川本忠平]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大沢温泉」の意味・わかりやすい解説

大沢温泉
おおさわおんせん

静岡県東部,伊豆半島南西部,松崎町にある温泉。松崎から那賀川に沿って 5kmほど入った河畔に湧く。泉質は単純泉,石膏泉。泉温は 55℃。肌がすべすべになることから化粧の湯とも呼ばれ,美肌作用が高い。閑静な環境や老舗の落ち着いた純和風宿があることから静養客に親しまれている。交通の便もよく,西伊豆探勝の基地に向く。

大沢温泉
おおさわおんせん

岩手県中西部,花巻市にある温泉。花巻温泉郷の一つで,豊沢川にのぞむ。泉質は硫黄泉。泉温は 52℃。湯量が豊富なため,川岸につくられた名物の巨大な混浴露天風呂のほか,10ヵ所以上の浴場がある。神経痛や胃腸病に効果があり,湯治や保養に訪れる人たちでにぎわう。

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デジタル大辞泉プラス 「大沢温泉」の解説

大沢温泉〔岩手県〕

岩手県花巻市、県中央部、豊沢川の渓流にある温泉。花巻温泉郷の温泉のひとつ。古くから知られた湯治場で、宮沢賢治、高村光太郎なども訪れた。

大沢温泉〔静岡県〕

静岡県賀茂郡松崎町、那賀川支流の池代川にある温泉。江戸時代の庄屋屋敷を改装した旅館があったが、現在は廃業。

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