一枚看板(読み)イチマイカンバン

デジタル大辞泉 「一枚看板」の意味・読み・例文・類語

いちまい‐かんばん【一枚看板】

《4が原義》
1 その団体の大立て者。また、大ぜいのなかの中心人物。「劇団の一枚看板」
2 人に誇ることができる、ただ一つのもの。
「纔わずかに実直という点を―にして」〈里見弴・今年竹〉
3 その着物のほかに着替えのないこと。一張羅いっちょうら。
「春夏秋冬―で押し通す」〈漱石・吾輩は猫である〉
4 上方の歌舞伎劇場で、木戸のかたわらに立てた大きな飾り看板。外題げだいを大書きし、上部に主な役者の絵姿を示した。江戸では大名題おおなだいといった。外題看板。→看板
[類語](1)花形・名優・千両役者・スター・立て役者・大立者・座頭ざがしら・星・ヒーロー・ヒロイン・アイドル・カリスマ・人気者・売れっ子・はやりっ子・寵児/(4)看板・立て看板・立て看・プラカード・金看板・表看板

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精選版 日本国語大辞典 「一枚看板」の意味・読み・例文・類語

いちまい‐かんばん【一枚看板】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 上方の歌舞伎劇場の前に掲げる大きな飾り看板。外題(げだい)を勘亭流で大きく書き、その上部に主要な役者の絵姿をかきあらわしたもの。江戸では大名題(おおなだい)といった。また、歌舞伎以外の興行物についてもいうことがある。名題看板。外題看板。
    1. <a href=一枚看板①〈守貞漫稿〉" />
      一枚看板①〈守貞漫稿〉
    2. [初出の実例]「贔負にて此まつ俄に太夫ふん〈西鶴〉 おもひつもって一まいかんばん〈友雪〉」(出典:俳諧・両吟一日千句(1679)第三)
    3. 「三遊亭円朝の一枚看板が木戸口から消えて定連を失望させたのは」(出典:明治世相百話(1936)〈山本笑月〉名人印象記)
  3. ② 歌舞伎などの一座で、その中心となっている役者。転じて、多人数の仲間のうちで、他に誇りうる中心人物。一枚株。
    1. [初出の実例]「根本元祖かけねなし、一枚かんばんの御どうけ」(出典:評判記・古今四場居色競百人一首(1693)為天孫太郎)
    2. 「お力といふのは此家の一枚看板(イチマイカンバン)」(出典:にごりえ(1895)〈樋口一葉〉一)
  4. ③ ほかに取り柄はないが、たったひとつ他に誇りうるものがあること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「その一枚看板のたくましい頤鬚に」(出典:苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉二)
  5. ④ ( 武家で中間(ちゅうげん)、小者(こもの)などに給する法被(はっぴ)を「かんばん」と呼んだところから ) 一枚の着物のほか、着がえ、または他に見せられるような着がえがないこと。また、その一枚しかない着物。一張羅(いっちょうら)。
    1. [初出の実例]「春夏秋冬一枚看板で押し通す」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉六)

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