六訂版 家庭医学大全科 「大脳視中枢と視機能障害」の解説
大脳視中枢と視機能障害
だいのうしちゅうすうとしきのうしょうがい
Visual cortex and visual disorder
(眼の病気)
どんな病気か
眼球でとらえた視覚情報は、眼球から後方に延びる視神経を通じて大脳の
したがって、視索以降の後頭葉視覚中枢の病変では、病側と反対側の視野が両眼性に障害される
また、後頭葉視覚中枢に投影された視覚情報は、その周囲(
この部分の障害では、見えているが人の顔や表情がわからない(
原因は何か
後頭葉視覚中枢での出血(
検査と診断
眼科での視野検査で同名性の視野障害が検出されれば、頭部CTやMRIなどの画像診断で原因となっている病巣を確認する必要があります。
治療の方法
この病気の元となった病気の治療が原則です。後頭葉の腫瘍や血腫が原因の場合は脳外科的治療の適応になりますが、脳梗塞の場合は保存的治療となります。
病気に気づいたらどうする
「右側が見えにくい」場合は、必ずしも「右眼だけが悪い」とは限りません。両眼の右のほうの視野が障害される右同名半盲の可能性もあります(左の場合も同じ)。
必ず片眼ずつで視野を確認し、両眼の右側視野に異常があることに気づいた場合は、眼科での視野検査を受けるようすすめます。
田口 朗
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報