① オオバコ科の多年草。各地の山野や路傍に普通にみられる。葉は根元から群がって生え、楕円形ないし卵形で、長い柄があり、長さ三~一五センチメートルになる。葉身には、数条の縦走した脈が目立つ。夏に、葉の間から、高さ一〇~三〇センチメートルほどの花茎を数本のばし、上部に白色の小花を穂状に密生する。実は、紡錘形で、横に裂け、中には数個の黒褐色の種子が入っている。若葉は食用、葉と種子は健胃剤、利尿剤、咳止めなどに用いる。かえるば。おんばく。おんばこ。《 季語・夏‐秋 》 〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
② 紋所の名。「おおぼうし(大帽子)」の花と葉とにかたどったもの。「抱車前(だきおおばこ)」と「車前龍胆(おおばこりんどう)」との二種がある。