朝日日本歴史人物事典 「大薩摩主膳太夫(初代)」の解説
大薩摩主膳太夫(初代)
生年:元禄7頃(1694)
江戸中期の大薩摩節の太夫。水戸の生まれ。通称源助。江戸の操り座薩摩外記座に入り,初め薩摩文五郎と名乗る。外記没後の享保5(1720)年2代目市川団十郎の「楪根元曾我」の曾我五郎の出に薩摩主膳の名で,同14年には同じく団十郎の「矢の根」に大薩摩主膳太夫と名乗って浄瑠璃を勤め,その語り口が団十郎の荒事と見事に合って,雄渾豪壮な節と奏法を特色とする大薩摩節が一世を風靡したという。しかし主膳太夫没後は次第におとろえ,長唄に吸収されていった。<参考文献>宮内寿松『大薩摩の代々』
(竹内道敬)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報