大雲取山(読み)おおくもとりやま

日本歴史地名大系 「大雲取山」の解説

大雲取山
おおくもとりやま

那智勝浦町の北端にそびえ、標高九六五・七メートル。熊野三千六百峰中、有数高峰。「続風土記」は「口色川村の東に聳て南は妙法山より続き、那智の後を歴て高峰屏風を列するが如く、北の方小口川郷に至る、(中略)峰の高き事雲を捕るへき形なるを以て雲取ノ峰と称す」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大雲取山」の意味・わかりやすい解説

大雲取山
おおくもとりやま

和歌山県南東部,那智山の一部をなす山。標高 966m。那智勝浦町新宮市の境に位置し,北方の小雲取山に対する。かつては熊野街道中辺路の一部が山の南西側を通り,これを大雲取越,小雲取越と呼び,熊野参詣道難路であったが,第2次世界大戦後,熊野川に沿う国道 168号線の開通に伴い廃道となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大雲取山」の意味・わかりやすい解説

大雲取山
おおくもとりやま

和歌山県南部、新宮(しんぐう)市と那智勝浦(なちかつうら)町にまたがる山。那智山の北側に連なる山塊総称で、最高965.7メートル。第三紀熊野酸性岩からなり、熊野川の支流赤木(あかぎ)川から北を小雲取山(こぐもとりやま)という。那智山と熊野本宮を結ぶ熊野街道中辺路(なかへち)が通り、大雲取越(ごえ)、小雲取越の険路として知られ、峰高く雲をとらえるようなので雲取と称したという。現在古道として保存されている。なお、1995年(平成7)大雲取山から320キロメートルも離れた富士山の撮影に成功、この山が富士山が見えるもっとも遠い地点となっている。

[小池洋一]

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世界大百科事典(旧版)内の大雲取山の言及

【雲取山】より

…標高2018m。雲採山とも書き,大雲取(おおくもとり)山とも呼ぶ。東京都の最高峰で,山名は雲に手のとどく高峰の意。…

※「大雲取山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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