天徳院(読み)てんとくいん

日本歴史地名大系 「天徳院」の解説

天徳院
てんとくいん

[現在地名]高野町高野山

金剛峯こんごうぶ寺の南、高野山大学の西にある。本尊阿弥陀如来。別格本山。もとは西光さいこう院といい、当院より南側に入る谷を西光院谷とよぶのはこのためである。「諸院家析負輯」に引く当院過去帳に「本院旧西光院云、鎮西京暹上人草創、(中略)然加能越三州太守中納言利常公御簾中天徳院殿元和八年逝去、其遺骸本院納旧号改天徳院名」とある。開基は寛永五年(一六二八)に没した前検校覚雄となっているから、このとき西光院の名を前田利常室にちなんで天徳院と改称谷上院たにがみいん谷に移したものらしい。

天徳院
てんとくいん

[現在地名]金沢市小立野四丁目

金竜山と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来。元和九年(一六二三)加賀藩三代藩主前田利常夫人(珠姫、将軍徳川秀忠の娘)菩提所として建立され、夫人の法号により天徳院と名付けられた。開基は安房国長安ちようあん(現千葉県鴨川市)巨山泉滴(延宝年中社寺来歴)宝円ほうえん寺とともに曹洞宗の触頭を勤め、承応三年(一六五四)には五代藩主前田綱紀から寺領五〇〇石の寄進を受けた(「寄付状写」加賀藩史料)

天徳院
てんとくいん

[現在地名]南郷村中野 中野

中野なかののほぼ中央中野館跡一郭に位置する。城久山と号し、曹洞宗。本尊は釈迦牟尼。寛保四年(一七四四)の諸寺院寺号山号(八戸市立図書館蔵)に「一名久井法光寺末寺中野村 城久山天徳院」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「天徳院」の解説

天徳院

石川県金沢市にある曹洞宗の寺院。山号は金竜山、本尊は釈迦如来。1623年、加賀藩3代藩主・前田利常の正室、珠姫の菩提寺として創建

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