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太夫元 たゆうもと

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

太夫元
たゆうもと

芝居興行の責任者。発生期の女歌舞伎では,最高級の遊女を太夫と呼んだので,その元締めの意からきているといわれる。のち江戸では,劇場の所有者である座元 (上方では「座本」) が,興行権をもっていたため (上方は別) ,太夫元が興行の全責任を負った。中村勘三郎,市村羽左衛門のように役者が座元である場合もあった。座元の息子は若太夫と呼ばれた。

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デジタル大辞泉の解説

たゆう‐もと〔タイフ‐〕【夫元】

演劇・演芸などの興行責任者。本来は役者全体を監督する者をいった。江戸では座元が兼ねた。

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世界大百科事典 第2版の解説

たゆうもと【太夫元】

座元(座本)の別称。江戸時代の歌舞伎興行権の所有者。幕末まで,世襲することを公認された興行の全権をもった元締的存在を太夫元といった。近世初期に遊女(太夫)の抱え主が,歌舞伎踊を主催したあたりに,太夫元という言葉のいわれがあろう。太夫元の子を若太夫とよび,芝居の年中行事に際しては,座元を助ける役をつとめた。歌舞伎における宗教的,儀式的な性格の一面がしのばれる呼称である。【藤波 隆之】

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大辞林 第三版の解説

たゆうもと【太夫元】

演劇・演芸などの興行責任者。役者や裏方をやとって一座を組織して座主に売り込んで興行する人。興行名義人。江戸では座元ざもとが兼ねた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

太夫元
たゆうもと

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世界大百科事典内の太夫元の言及

【座元(座本)】より

…江戸時代の歌舞伎の興行権を持つ者の称。櫓主,太夫元ともいう。江戸では,1624年(寛永1)に猿若(中村)勘三郎が幕府に願い出て,中橋での興行を許されたのが座元の始まりで,以後,都伝内,村山又三郎,山村小兵衛(長太夫),河原崎権之助,森田太郎兵衛,玉川新十郎がそれぞれ劇場を立てて座元となった。…

【太夫】より

… 浄瑠璃以外では,歌舞伎の女方の長を太夫と呼ぶが,これは初期の遊女歌舞伎時代に,格式の高い遊女を太夫と尊称したことから発した伝統をうけついだものである。ひいては,遊女の抱え主がその興行を監督したところから,歌舞伎芝居の元締めにあたる者を太夫元といった。また江戸時代後期になると,万歳の太夫と才蔵,猿回しの太夫など大道芸,門付(かどづけ)芸のたぐい,さらには見世物芸の動物さえも太夫と称するようになった。…

※「太夫元」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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