世界大百科事典 第2版「契約締結上の過失」の解説
けいやくていけつじょうのかしつ【契約締結上の過失】
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
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契約が締結されたものと相手方が信じたところ、それが初めから不能(原始的不能)であったため無効であった場合に、過失によって無効な契約を成立させた者の責任をいう(culpa in contrahendo)。たとえば家屋の売買において、その焼失を売り主が知らないで売った場合の責任である。買い主は、売買が有効だと信頼したために生じた損害(費用など)の賠償を請求することができる。しかし目的物を転売することによって得られる利益のように、有効な契約を前提にしてその履行による利益(履行利益)の賠償は請求することができない。請求の根拠として、不法行為(民法709条)によるよりも、債務不履行(民法415条)によるほうが、損害賠償を請求する原告(前例で買い主)が被告(前例で売り主)の過失を立証しなくてすみ、また被告の履行補助者の過失についての被告の責任を追及しやすい。ドイツのイェーリングが19世紀にこの理論を提唱して以来、日本の学説もこれを承認している。信義誠実の原則(民法1条2項)に基づき、(1)契約が原始的に不能であり、(2)給付をすべき者が不能を知り、または知りうべきであって、(3)相手方が善意・無過失のときに、この責任が認められる。契約が成立するに至らない場合で、その準備段階にあるときでも、判例は、信義則違反の事情があるときには、前記の責任があるとしている。
[川井 健]
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