女物(読み)オンナモノ

デジタル大辞泉 「女物」の意味・読み・例文・類語

おんな‐もの〔をんな‐〕【女物】

女性が身につけたり、持ち歩いたりするのにふさわしく作った品物。婦人物。「女物時計」⇔男物
女能おんなのう1」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「女物」の意味・読み・例文・類語

おんな‐ものをんな‥【女物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 着用や携帯用に、女の身にふさわしく作ったもの。⇔男物
    1. [初出の実例]「身幅も狭き女物、而も廓の派手模様」(出典:歌舞伎・舛鯉滝白旗(閻魔小兵衛)(1851)序幕)
  3. 能楽鬘物(かずらもの)をいう。
  4. 和泉流狂言分類の一つ。女性が登場する曲で、多くは大蔵流女狂言に属する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「女物」の意味・わかりやすい解説

女物
おんなもの

(1) 能の鬘物 (かずらもの) のこと。 (2) 狂言の役柄による曲目分類の一つ。女物の称は和泉流でいい,大蔵流では聟 (むこ) 狂言に含めるが,曲目は同一でない。『二九十八』『吹取』『伊文字』『釣針』『業平餅』『岩橋』『因幡堂』『石神』『引括』『吃り』『鎌腹』『連歌十徳』『千切木』『鏡男』『内沙汰 (右近左近) 』『髭櫓』『児流鏑馬』『太鼓負』『河原太郎』『今神明』『箕被』『法師ヶ母』『茶子味梅』『金岡』『塗師平六』『雪打』『六人僧』『伯母ヶ酒』『子盗人』『痩松』『歌仙』『若菜』『田植』などで,大蔵流では重習 (おもならい) ,極 (ごく) 重習の『比丘貞』『枕物狂』『庵の梅』『花子』『狸腹鼓』なども含める (→習物 ) 。女性をシテとする曲は老尼『比丘貞』『庵の梅』の場合のみで,ほかは女物といっても女性をアドにする曲である。大名物,鬼山伏物,出家物,座頭物など他の曲に分類しにくいものを集めている。

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