如何なる星の下に(読み)イカナルホシノモトニ

デジタル大辞泉 「如何なる星の下に」の意味・読み・例文・類語

いかなるほしのもとに【如何なる星の下に】

高見順長編小説浅草舞台に、小説家の「私」がレビュー踊り子に思いを寄せるさまを描く。昭和14年(1939)1月から翌昭和15年(1940)3月まで「文芸」誌に連載単行本は昭和15年(1940)刊。昭和37年(1962)豊田四郎監督により映画化

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「如何なる星の下に」の意味・わかりやすい解説

如何なる星の下に
いかなるほしのもとに

高見順の長編小説。1939年(昭和14)1月より1940年3月まで『文芸』に連載された。1940年4月新潮社刊。小説家である「私」は浅草にアパートを借り、近くのお好み焼き屋惚太郎(ほれたろう)に出入りするうちに、レビューの踊り子小柳雅子(まさこ)に心ひかれるようになる。しかし彼女には浅草芸人の恋人がいることがわかり、やるせなさをかみしめねばならなかった。踊り子への慕情をくどくどとつづる饒舌(じょうぜつ)体の文体は、三雲祥之助(しょうのすけ)の挿絵とともに浅草情緒を醸し出すのに効果をあげ、「浅草を背景にして心の風景を書かう」とした作者意図はみごとに成功している。

[遠矢龍之介]

『『如何なる星の下に』(新潮文庫)』

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デジタル大辞泉プラス 「如何なる星の下に」の解説

如何なる星の下に

1962年公開の日本映画。監督:豊田四郎、原作:高見順による同名小説、脚色八住利雄撮影岡崎宏三出演山本富士子加東大介、三益愛子、池内淳子、森繁久彌、池部良、乙羽信子ほか。

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世界大百科事典(旧版)内の如何なる星の下にの言及

【高見順】より

…当時,彼は〈描写のうしろに寝てゐられない〉と独自の饒舌体を主張した。ファシズムにむかう時代の流れに抗し《人民文庫》の同人として散文精神を固守しようとしたが,《如何なる星の下に》(1939‐40)では浅草の風俗を描く方に傾いた。戦後は,私生児という自己の出生の秘密にくい込んだ《わが胸の底のここには》でスタート。…

※「如何なる星の下に」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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