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子どもに多い自己免疫疾患と対策 こどもにおおいじこめんえきしっかんとたいさく

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家庭医学館の解説

こどもにおおいじこめんえきしっかんとたいさく【子どもに多い自己免疫疾患と対策】

 子どもの自己免疫疾患は、おとなほど多くはみられません(免疫のしくみとはたらきの「自己免疫疾患とは」)。それでも、リウマチ熱(ねつ)、若年性関節(じゃくねんせいかんせつ)リウマチ、全身性エリテマトーデス、アレルギー性紫斑病(せいしはんびょう)などは、子どもに比較的によくみられるものです。
◎リウマチ熱(ねつ)(「リウマチ熱」)
◎若年性関節(じゃくねんせいかんせつ)リウマチ(「若年性関節リウマチ」)
◎皮膚筋炎(ひふきんえん)(「多発性筋炎/皮膚筋炎」)
◎アレルギー性紫斑病(せいしはんびょう)

◎リウマチ熱(ねつ)
 A群β溶連菌ベータようれんきん)によっておこる急性扁桃炎(きゅうせいへんとうえん)(「急性扁桃炎(アンギーナ/口峡炎)」)にかかって、1~4週間たってから全身のいろいろなところに炎症が生じる病気です。この病気の子どもの約半数には、心臓に炎症が生じます。この病気がよくおこる年齢は、5~15歳です。
 溶連菌を抗原(こうげん)としてできた免疫抗体が、溶連菌とみわけがつかず、心筋(しんきん)など自己組織と結合するなどの反応をしてしまって、障害をおこすことが原因と考えられています。
●症状
 さまざまな症状があります。
 発熱 38~40℃の熱が続くことが多いのですが、熱がないこともあります。
 関節症状 膝(ひざ)、肘(ひじ)、手、足などの大きな関節に、痛み、熱感、腫(は)れがみられます。
 心炎(しんえん) 動悸(どうき)、速い脈拍(みゃくはく)(頻脈(ひんみゃく))、不整脈(ふせいみゃく)がみられます。聴診器で心臓に雑音がきかれ、X線写真には心臓の拡大した像がみられます。
 皮膚症状 ピンク色の境界がはっきりした輪状紅斑(りんじょうこうはん)が、腹部、胸部、背中にみられます。関節の付近には、1~3cmほどの隆起したしこり皮下結節(ひかけっせつ))がみられます。
 小舞踏病(しょうぶとうびょう 手や足、顔面の筋肉が無意識、無目的に動いてしまい、踊っているような不随意運動(ふずいいうんどう)がみられます。
●治療
 心炎が生じている場合は、ステロイド副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)薬を服用します。心炎をおこしていない子どもでは、アスピリンを服用します。
 溶連菌の感染に対しては、ペニシリンの内服が有効です。
 心炎は、放置すると高い割合で心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)(「心臓弁膜症とは」)をおこしてきますから、早期診断、早期治療がたいせつです。
 ふつうは6か月以内に治りますが、再発しやすいので、退院後も定期的な通院が必要です。

◎若年性関節(じゃくねんせいかんせつ)リウマチ
 15歳以下の子どもにみられる関節リウマチです。朝に関節がこわばり、動いたり運動したりするのをいやがりますが、午後には治ります。
 この病気は、特有の症状や検査所見がないため、厚労省が定めた診断の基準などを使い、総合的に診断されます。
●症状
 全身型、多関節炎型、単ないし少関節炎型などの病型があります。
 全身型の症状 急に発病し、39~40℃の発熱が続き、2~3か月してから関節症状が現われます。膝、手、足の関節が腫れます。発熱時にじんま疹(しん)のような発疹(ほっしん)がみられることがあります。肝臓や脾臓(ひぞう)が腫れるなどの全身症状があるものをスチル病といいます。
 多関節炎型(たかんせつえんがた)の症状 5~6歳の子どもがよくかかります。指の関節を含む多くの関節に強い関節炎(かんせつえん)が生じますが、内臓などの全身症状は軽くてすみます。
 単ないし少関節炎型の症状 膝、肘、足などの大きな関節がおかされます。目の虹彩毛様体(こうさいもうようたい)という部分に炎症がおこり、失明(しつめい)することもあります。
●治療
 最初にアスピリンや非ステロイド系の抗炎症薬による治療が行なわれますが、心膜炎(しんまくえん)、胸膜炎(きょうまくえん)、虹彩毛様体炎(こうさいもうようたいえん)がある場合は、ステロイド(副腎皮質ホルモン)薬を使用します。
 骨が変形するような重症の場合は、金製剤(きんせいざい)、メトトレキサート製剤が使用されます。
●予後 この病気の大半の子どもは、後遺症を残さずに治りますが、治療が適切でないと関節の変形を残すことがあるため、専門医の治療が必要です。

◎皮膚筋炎(ひふきんえん)
 特有の発疹と、筋肉の痛みで始まり、しだいに筋力の低下が生じてくる病気です。どの年齢の人にも、同じ程度にみられます。原因は明らかではありませんが、免疫反応の異常が関係していると考えられています。
 症状は、ゆるやかに、からだの中心に近い筋がおかされていき、しだいに歩行や、ものを飲み込むなどの動作が困難になります。赤い発疹が顔やからだにみられ、まぶたにはヘリオトロープ疹(しん)という紫色の発疹が現われます。
●治療
 ステロイド(副腎皮質ホルモン)薬が有効です。
 再発することが多いため、根気強く治療を続けることがたいせつです。

◎アレルギー性紫斑病(しはんびょう)
 細くて小さい血管が、炎症によっておかされて、皮下に出血するため、皮膚に紫色の斑点(はんてん)(紫斑(しはん))ができる病気です。皮膚の病変のほか、関節痛、腹痛などがみられることがあります。
 原因については、溶連菌(ようれんきん)の感染でおこるアレルギー反応などの説がありますが、まだわかっていません。アナフィラクトイド様紫斑病(ようしはんびょう)(「アレルギー性紫斑病(アナフィラキシー様紫斑病/シェーンライン・ヘノッホ紫斑病)」)と呼ばれることがあります。
●症状
 皮膚、消化器、関節、腎臓(じんぞう)につぎのような症状が出ます。
 皮膚の症状 1mm~1cm程度の大きさの赤い盛り上がった発疹が現われ、しだいに紫斑に変化します。紫斑は脚(あし)によくみられますが、おしりや背中にもみられます。しばしば、顔や頭部に、こぶのようなむくみがみられます。
 消化器の症状 強い腹痛があり、血便(けつべん)をともなうこともあります。まれに、腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)(「腸重積症」)を合併します。
 関節の症状 おもに、膝や足の関節の痛みと腫れがみられます。
 腎臓の症状 血尿(けつにょう)、たんぱく尿がみられ、ネフローゼ症候群(「特発性ネフローゼ症候群」)や慢性腎炎(まんせいじんえん)(「慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)」)がおこることも少なくありません。
●治療
 根本的な治療法はありませんが、腹痛が強いときにはステロイド(副腎皮質ホルモン)薬を使います。
 この病気の子どもの大半は、2~6週間で治り、再発はあまりありません。
 その後の経過のよしあしは、腎炎がともなうかどうかで、左右されます。ただし、現時点では、腎炎を予防する手だては見つかっていません。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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