子持山(読み)コモチヤマ

デジタル大辞泉 「子持山」の意味・読み・例文・類語

こもち‐やま【子持山】

群馬県渋川市沼田市の境にある成層火山赤城山榛名はるなの中間北側に位置する。標高1296メートル。屏風びょうぶ・大黒岩(獅子岩)などの奇岩がある。名の由来は、周囲尾根が山を囲むさまが、子を抱いているように見えることから。

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日本歴史地名大系 「子持山」の解説

子持山
こもちやま

那須なす火山帯に属す成層火山で、裾野は子持村小野上おのがみ村・吾妻あがつま高山たかやま村・沼田市にまたがる。上部は東西約二キロ・南北約三キロのカルデラとなり、カルデラ内の中央火口丘の頂上が最高峰の笠上かさがみで標高一二九六・四メートル、小野上村と沼田市の境界をなす。屏風びようぶ岩・大黒だいこく(獅子岩とも)こぶし岩とよばれるような火山岩頸・放射状岩脈が顕著で、東麓を利根川が南流、南麓を吾妻川が東流する。山名は山容が子供を抱いているような形、あるいは女陰に似ていることから付けられたといわれる。「万葉集」巻一四に「子持山若鶏冠木わかかえるでの黄葉つまで寝もと吾は思ふ汝は何どか思ふ」とあり、「古今六帖」では下の句を「ねむと思ふを妹はいかにぞ」とする。「和歌色葉」はこの歌を国名を記さずに採り、「奥義抄」は奥州、「五代集歌枕」は未勘国とするが、古くから当山のことを詠んだものと考えられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「子持山」の意味・わかりやすい解説

子持山
こもちやま

群馬県沼田市(ぬまたし)と渋川市(しぶかわし)との境にある山。赤城(あかぎ)、榛名(はるな)両火山中間の北側にあるコニーデ型火山で、標高1296メートル。西の小野子山(おのこやま)と隣接して双子火山をなし、前橋付近からの眺めがよい。『万葉集』にも「子持山若かえるでのもみつまで……」と詠まれている。おもに複輝石(ふくきせき)安山岩からなり、山頂に近い大黒(だいこく)岩(獅子(しし)岩)は険しく、溶岩流東端利根(とね)川に綾戸(あやど)峡谷をつくっている。南東斜面の末端部は軽石の層が厚く、養蚕コンニャクイモの栽培が盛ん。西麓(せいろく)の中山峠(709メートル)は旧三国(みくに)街道の峠で、1981年(昭和56)上越新幹線の中山トンネルが貫通した。

[村木定雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「子持山」の意味・わかりやすい解説

子持山
こもちやま

群馬県中部,沼田市南西端にある円錐 (コニーデ) 形火山。標高 1296m。西の小野子山と並んで双子火山をなす。複輝石安山岩から成り,中腹以上は開析が進み,けわしい山容を呈する。南の緩斜面で農業,養豚が行われる。東の赤城山,南西の榛名山との間を利根川,吾妻川が流れる。

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事典・日本の観光資源 「子持山」の解説

子持山

(群馬県沼田市・渋川市・吾妻郡高山村)
ぐんま百名山」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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