安心立命(読み)アンジンリュウミョウ

デジタル大辞泉 「安心立命」の意味・読み・例文・類語

あんじん‐りゅうみょう〔‐リフミヤウ〕【安心立命】

人力を尽くしてその身を天命に任せ、どんな場合にも動じないこと。あんしんりつめい。
「その神からの授かりもの、解脱げだつと―の種子を」〈長与竹沢先生と云ふ人

あんしん‐りつめい【安心立命】

あんじんりゅうみょう(安心立命)

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精選版 日本国語大辞典 「安心立命」の意味・読み・例文・類語

あんしん‐りつめい【安心立命】

  1. 〘 名詞 〙 儒教で、人力を尽くしてその身を天命に任せ、どんな場合にも落ち着いていること。天命を知って心を平安に保ち、むやみに心を動かさないこと。仏教では、「あんじんりゅうみょう(安心立命)」と訓み、主に禅宗で、悟りの境地に到達して真の心の安らぎを得、主体性を確立すること。
    1. [初出の実例]「何程安心立命(アンシンリツメイ)の地の定まらず頼みなき身を歎けばとて」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉八七)
    2. [その他の文献]〔天目高峰禅師‐示衆語〕

あんじん‐りゅうみょう‥リフミャウ【安心立命】

  1. 〘 名詞 〙あんしんりつめい(安心立命)

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四字熟語を知る辞典 「安心立命」の解説

安心立命

人力を尽くしてその身を天命に任せ、どんな場合にも落ち着いていること。天命を知って心を平安に保ち、くだらないことに心を動かさないこと。

[活用] ―する。

[使用例] それはよく考えると自己弁解的でもあったが、とにかく彼はそこに安心立命していたといってよかった[金達寿*後裔の街|1946~47]

[使用例] この寺の檀家ですが、あんな苦しみを知らない男も、ちょっと他にないでしょう。すべて親からあたえられ、安心立命の境地にいるらしい[立原正秋*冬のかたみに|1975]

[解説] 元来、儒教でいう語。仏教では、「あんじんりゅうみょう(安身立命)」と読み、主に禅宗で、悟りの境地に到達して真の心の安らぎを得、主体性を確立すること。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「安心立命」の意味・わかりやすい解説

安心立命
あんしんりつめい

安心は仏教語で、安らぎを得、落ち着いた穏やかな心に達した究極の境地をいい、ニルバーナnirvāa(涅槃(ねはん))と称した。立命は、儒教の『孟子(もうし)』のことばの転用で、天命による本性をまっとうすること。人力を尽くして仏道を実践し、わが身を仏法にゆだね、なにものにも心を揺るがされない安定した心のあり方をいう。「あんじんりゅうみょう」とも読み、安身立命とも書く。

[石川力山]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「安心立命」の意味・わかりやすい解説

安心立命
あんじんりゅうみょう

「あんしんりつめい」とも読む。安心は仏教用語,立命は儒教の用語。すべてを絶対のものにまかせて,心が動揺しないこと。

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