宮崎湖処子(読み)みやざきこしょし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

宮崎湖処子
みやざきこしょし

[生]元治1(1864).9.20. 筑前三奈木
[没]1922.8.9. 東京
詩人,小説家。本名,八百吉。 1887年東京専門学校卒業。同年『日本情交之変遷』で注目され,『帰省』 (1890) をはじめ十数編の小説のほか『湖処子詩集』 (93) ,『抒情詩』 (97,共著) を刊行してキリスト教的色彩に富む田園詩人として注目された。初期浪漫主義の先駆的存在。

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百科事典マイペディアの解説

宮崎湖処子【みやざきこしょし】

小説家,詩人,牧師。本名八百吉,別号八面楼主人等。筑前国生れ。東京専門学校(現早稲田大学)卒。《日本情交之変遷》《国民之友及び日本人》を刊行の後,徳富蘇峰に認められて民友社に入社。1890年《国民新聞》の刊行とともに編集員となり,《国民之友》に多数の詩,小説,評論を発表。立身出世主義批判と故郷喪失を扱った《帰省》が代表作。個人詩集に《湖処子詩集》がある。民友社を退いて後,受洗して伝道生活にはいり,本郷教会牧師,聖学院神学校教授を務める。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

宮崎湖処子 みやざき-こしょし

1864-1922 明治-大正時代の詩人,小説家。
元治(げんじ)元年9月20日生まれ。国民新聞社にはいり詩,小説,評論を発表。明治23年刊の詩文集「帰省」で名をあげる。26年「湖処子詩集」を刊行。キリスト教信者で,晩年は独立伝道をおこなった。大正11年8月9日死去。59歳。筑前(ちくぜん)(福岡県)出身。東京専門学校(現早大)卒。本名は八百吉。
【格言など】悲しきかな我すでに智慧の果を食(くら)いぬ(「帰省」)

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朝日日本歴史人物事典の解説

宮崎湖処子

没年:大正11.8.9(1922)
生年:元治1.9.20(1864.10.20)
明治時代の詩人,小説家。仁平,チカの3男。筑前国(福岡県)下座郡三奈木に生まれる。本名八百吉。喰那尾小学校,福岡中学を経て上京,東京専門学校(早大)政治科入学。在学中に受洗。卒業後,徳富蘇峰に認められ民友社に入社。明治24(1891)年,故郷三奈木を舞台に,エッセー風の美文に新体詩を交えた独特の小説『帰省』を刊行,文名を馳せた。ワーズワース,W.と陶淵明に私淑し,26年,『湖処子詩集』刊。30年には『抒情詩』を編集。これは国木田独歩,田山花袋など6人の詞華集で,湖処子も自作26篇を収録した。このころが詩人湖処子の認められた時代で,やがてキリスト教の布教活動に熱心になり,小説や評論,翻訳を発表するが注目はされなかった。著書に『まぼろし』(1892)などがある。<参考文献>『近代詩集Ⅰ』(日本近代文学大系53巻)

(及川茂)

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世界大百科事典 第2版の解説

みやざきこしょし【宮崎湖処子】

1864‐1922(元治1‐大正11)
詩人,小説家,評論家。本名八百吉(やおきち),別号八面楼主人など。筑前国三奈木村(現,甘木市)の生れ。東京専門学校(早大)卒。在学中にキリスト教に入信。1888年民友社に入り,《国民新聞》《国民之友》に多数の詩,小説,評論を発表。90年刊の《帰省》は,文明開化に汚染されぬ故郷への思慕をつづり,湖処子の田園文学の代表作となる。《湖処子詩集》(1893)や彼の編んだアンソロジー《抒情詩》(ほかに国木田独歩,松岡(柳田)国男,田山花袋など)(1897)中の新体詩は,農本的自然感情と宗教的敬虔さの融け合った清冽,平明な詩情を伝えている。

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大辞林 第三版の解説

みやざきこしょし【宮崎湖処子】

1864~1922) 詩人・小説家・評論家・牧師。筑前生まれ。本名、八百吉。別号、八面楼主人など。東京専門学校卒。民友社系の浪漫主義文学者。温雅・素朴な作風で、出世作「帰省」は田園情趣の理想主義的文学観が顕著。著「人生私観」「湖処子詩集」など。

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世界大百科事典内の宮崎湖処子の言及

【国木田独歩】より

…この結婚は半年で破局を迎えたが,このころから詩人的資質に目覚め,民友社系の《国民新聞》《国民之友》に浪漫的な詩を発表。これらは97年,宮崎湖処子,松岡(柳田)国男らとの共著詩集《抒情詩》にまとめられた。同年小説の処女作《源叔父(げんおじ)》を発表。…

※「宮崎湖処子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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