宮若(読み)ミヤワカ

デジタル大辞泉 「宮若」の意味・読み・例文・類語

みやわか【宮若】

福岡県北部の市。福岡市北九州市中間にあり、それぞれ都市圏に含まれる。平成18年(2006)2月宮田町若宮町が合併して成立。明治時代以降、炭鉱業が盛んだったが、つぎつぎと閉山した後は自動車・精密機器などの工場立地。人口3.0万(2010)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「宮若」の意味・わかりやすい解説

宮若[市] (みやわか)

福岡県北部の市。2006年2月宮田(みやた)町と若宮(わかみや)町が合体して成立した。人口3万0081(2010)。

宮若市東部の旧町。旧鞍手郡所属。人口2万0934(2005)。遠賀川支流の犬鳴川が中央部を東流する。中世粥田(かいた)荘の地で,近世は福岡藩領であった。町名は嘉禄年間(1225-27)に宗像(むなかた)神社の神領となったときの〈神田〉に由来するという。1884年貝島炭鉱による石炭採掘が始まり,1902年には筑豊本線勝野駅から九州鉄道(JR宮田線,1989廃止)が開通して,筑豊炭田有数の大炭鉱町に発展した。1955年には町としては日本最大の人口(5.5万人)を擁したが,石炭合理化政策によって炭鉱は相次いで閉山し,人口は半減した。町立石炭記念館(現,宮若市石炭記念館)があり,町中央部には広大な露天掘り跡地が残る。近年,産炭地域振興政策に基づいて造成された。大規模な工業団地には,自動車,電機工場が立地し,工業の町への転換が進んでいる。笠置山北麓の八木山川に沿う千石峡はハイキングコースになっている。

宮若市中西部の旧町。旧鞍手郡所属。人口9696(2005)。北は宗像市,南は飯塚市に接する。中心の福丸はかつて市場町で栄えた地で,バス交通の要地となっている。筑豊地方にあって炭鉱のなかった珍しい町で,主産業は農林業である。米を中心に,河岸段丘上ではイチゴブドウなどが栽培され,花卉も盛んである。町の西部から南部を占める三郡山地からは良質の杉,ヒノキを産出し,シイタケ,たけのこの産も多い。1977年町の北部に九州自動車道の若宮インターチェンジが完成して,福岡・北九州両市へ30分の距離となった。北部中央の竹原地区にある竹原古墳(史)は装飾古墳として有名である。西部の犬鳴山東麓に脇田温泉(単純泉,29℃)があり,笠置山西麓にある多目的の力丸ダムとともに太宰府県立自然公園に属している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android