宮谷村(読み)みやだにむら

日本歴史地名大系 「宮谷村」の解説

宮谷村
みやだにむら

[現在地名]郡家町宮谷

郡家村の北、私都きさいち川の東岸に位置する。賀茂神社があり、天正五年(一五七七)一二月二一日の毛利豊元宛行状(因幡民談記)にみえる「上鴨庄」は、当地にあったものと推定される。このとき庄内の田地二町などが姫地玄蕃允に与えられている。藩政期の拝領高は三〇四石余。本免四ツ。享保一九年(一七三四)の鈴木孫三郎所持本「因幡誌」によると高三四四石余、竈数一八。「因幡志」では家数二五、産土神は加茂大明神(賀茂神社)


宮谷村
みやだにむら

[現在地名]鳥取市宮谷

野坂のさか川右岸に位置し、北対岸は大満おおま村・桷間かくま村。村名は村下の小谷と、光頭大明神が鎮座する谷に由来するという。南部に立見たちみ峠があり、鹿野しかの往来が通る(因幡志)。慶長一〇年(一六〇五)の気多郡高草郡郷帳に宮谷とみえ、高七四五石余、田七二町七反余・圃八町余、物成五四九石余。拝領高は四六五石余、本免四ツ五分。文政一二年(一八二九)の高草郡中構下札目録帳(奥田家文書)では朱高五〇七石余・生高五三三石余、物成二〇七石余、山札銀一四匁・藪役銀一匁五分・川役銀三〇匁が課されていた。


宮谷村
みやたにむら

[現在地名]武生市宮谷町

味真野あじまの扇状地の西扇端部にあり、北東は上真柄かみまがら村、西は西尾にしお村。慶長一一年(一六〇六)頃の越前国絵図に村名と高一〇二六・二六石が記され、日野ひの権現のしたの宮(大山咋神社に合祀)から村名が起こったといわれる。正保郷帳によると田方七一三石余・畠方三一三石。貞享三年(一六八六)福井藩領より幕府領となる。南の奥宮谷おくみやたに、北の口宮谷くちみやたに、その中間の出村でむらの三垣内に分れるが、口宮谷を新保しんぼともよび、上真柄の真柄垣内をかつて本新保ほんしんぼと称したことから(越前国名蹟考)、当村が中世には真柄保内であったことが推定される。


宮谷村
みやたにむら

[現在地名]大月市富浜町宮谷とみはままちみやたに

桂川の左岸にあって下和田しもわだ村の東、百蔵ももくら山の南斜面に位置する。東は鳥沢とりさわ村。地内南部の桂川沿いを甲州道中が走る。中世の宮谷郷の遺称地。文禄―慶長期(一五九二―一六一五)のものと推定される四郡高〆控によると高二五〇石余。寛文九年(一六六九)の郡内領高辻帳では高二五一石。寛政七年(一七九五)の都留郡御成箇郷帳(渡辺正三家文書)によると鳥沢宿へ助郷役を勤めている。


宮谷村
みやだにむら

[現在地名]金津町宮谷

青野木あおのき村の東南、加越山地の谷間、竹田たけだ川の支流宮谷川の上流に位置する。室町時代中期以前のものと思われる河口庄御検注郷々仏神田注文(神宮寺文書)に「宮谷村二反 一反小白山田一反阿弥陀堂田」と記されている。「大乗院寺社雑事記」文明二年(一四七〇)七月一四日条に記す「河口庄郷々内村名」にも細呂宜ほそろぎ郷内の村としてその名がみえる。また天正四年(一五七六)柴田勝家が越前の高田派専修せんしゆう寺の門家として認めた一二ヵ村の一村でもあった(同年三月一一日付「柴田勝家書状」法雲寺文書)

当村の神尾家(屋号おもや)に残る慶長三年(一五九八)の検地帳写によれば当村田地内に近隣の金津・かきはら清王せいおうなどの村人の持地のあったこと、また屋敷地所持者のなかには「ありき」「うせ人」「下べ」といった注記もあり、当時の農村構造の一端がうかがえる。


宮谷村
みやだにむら

[現在地名]会見町金田かねだ

小松こまつ村の南東に位置する。地内を金田川が北西流し、小松谷こまつだに川に合する。村名は、金田川上流左岸の谷間に鎮座する熊野権現(現熊野神社)にちなむという(伯耆志)。熊野権現の北の谷を隔てた山麓に円福えんぷく寺跡、同権現の南谷奥一キロ、五本松ごほんまつ山系の中腹には法伝ほうでん寺跡などの中世寺院跡があり、付近にはカネツキドウなどの地名も残る。また地内北部の吹屋ふきや谷には南北朝期の小松城跡がある(会見町誌)


宮谷村
みやのやちむら

[現在地名]能都町宮地みやち

山田やまだ川流域に位置し、南東は魚地うおのじ村。宮ノ谷・宮谷内などとも記す。正保郷帳に村名がみえ高八九石余、田方二町九反余・畑方三町、新田高五五石余。承応三年(一六五四)の村御印の高一一八石余、免四ツ一歩(能登奥両郡収納帳)。寛文一〇年(一六七〇)の村御印の高一四六石、免四ツ五歩、小物成は山役六九匁・炭竈役一三匁(三箇国高物成帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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