小倉謙(読み)おぐらゆずる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小倉謙」の意味・わかりやすい解説

小倉謙
おぐらゆずる
(1895―1981)

植物形態学者。仙台市出身。1919年(大正8)東京帝国大学理学部植物学科を卒業大学院に進むが、同年、講師就任。1939年(昭和14)教授となる。シダ植物の比較解剖学的研究を専攻して国際的にも高い評価を受けた。植物解剖学ハンドブックの一冊としてドイツ語で『シダ植物の栄養器官の解剖』(1938)を著し、これによって帝国学士院賞を受けた(1946)。その高潔な人格が広く尊敬を受け、日本植物学会会長、資源科学研究所所長などを歴任した。切手収集家としても知られる。

[佐藤七郎]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小倉謙」の解説

小倉謙 おぐら-けん

1911-1977 昭和時代官僚
明治44年4月21日生まれ。内務省にはいり,戦後国家地方警察本部刑事部捜査課長,愛知県警察長などを歴任して,昭和33年第64代警視総監となる。在任中に六○年安保闘争がおこり,また浅沼稲次郎暗殺事件,嶋中(しまなか)事件など右翼テロが続発し,引責辞任。昭和52年7月23日死去。66歳。愛知県出身。東京帝大卒。

小倉謙 おぐら-ゆずる

1895-1981 昭和時代の植物学者。
明治28年6月26日生まれ。昭和13年母校東京帝大の教授。植物形態学・解剖学を専門とする。21年シダ植物の解剖学的研究により学士院賞。日本植物学会長。植物切手の収集家としても知られた。昭和56年3月18日死去。86歳。宮城県出身。著作に「植物形態学」「世界植物切手大図鑑」など。

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