デジタル大辞泉
「小御所」の意味・読み・例文・類語
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こ‐ごしょ【小御所】
- 〘 名詞 〙
- ① 本来の御所以外に造られた御所。
- [初出の実例]「今夕法王可三渡二御白川北新小御所一也〈件御所は本御所之北大路北辺新被レ作〈略〉〉」(出典:中右記‐元永元年(1118)七月一〇日)
- ② 京都、皇居内の一殿。清涼殿の東北にあり、母屋は上中下段につくられた書院造り。幕府の使者や所司代との対面などに用いられた。前面に庭園があった。その創始は未詳。近年の御殿は昭和二九年(一九五四)焼失した。
- [初出の実例]「小御所の御庭に山させらるる」(出典:御湯殿上日記‐文明一八年(1486)三月二八日)
- ③ 天皇、院と同居したときに、東宮、皇后、女院などの御所となった建物をいう。
- ④ 室町時代、将軍参内のときの休息所。ごんごしょ。
- [初出の実例]「道義公参内の御時は、禁中に御使宜所とて御休息の殿あり。是を禁中の上下、小御所とぞ申合る」(出典:足利治乱記(室町末)上)
- ⑤ 中世、将軍家の世子の居所。また、その世子をいう。前征夷大将軍、また、将軍の居所の意の大御所(おおごしょ)に対していう。
- [初出の実例]「若君御方弓始也、射手十人、於二小御所南面一有二此儀一」(出典:吾妻鏡‐文治五年(1189)正月九日)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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小御所
こごしょ
天皇や上皇の殿舎の一つ。内裏(だいり)における紫宸殿(ししんでん)や清涼殿(せいりょうでん)などの正殿に対して内々の空間として設けられた建物。東宮(とうぐう)や女院(にょいん)などが同居したときの御所として、また、室町時代には東北隅に配置され、南北9間東西3間の母屋として定着し、将軍参内時の休息所となるなど外部と接触する場として用いられた。内裏以外にも上皇の御所や、鎌倉・室町幕府の将軍の御所、身分の高い僧侶の御所にも設けられ、ことに幕府では前将軍、または将軍の居所である大御所に対して、将軍世子の居所を小御所といった。1867年(慶応3)、京都御所内の小御所で開かれた公卿や諸藩の代表による御前会議は、将軍徳川慶喜の辞官納地を決定し、徳川幕府滅亡の端緒となった。
[小林保夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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小御所
こごしょ
鎌倉時代以降,将軍の世子の居所。転じて世子自身もさした。前将軍の居所および前将軍自身を大御所と称したのに対する。これとは別に鎌倉時代以降,院御所・内裏のなかに同名の建造物がおかれるようになり,内裏では室町時代以後,紫宸殿の東北に位置が定まる。近世初頭では御元服御殿ともよばれ,諸種の儀式,将軍・大名との対面などが行われた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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小御所【こごしょ】
京都御所の殿舎の一つ。対面,儀式,集会に使用。1954年焼失。のち再建。なお,前将軍およびその居所を大御所(おおごしょ)というのに対し,将軍の世子の居所ないし世子を小御所とも称した。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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