小松清(読み)コマツ キヨシ

20世紀日本人名事典 「小松清」の解説

小松 清
コマツ キヨシ

昭和期の音楽評論家,フランス文学者



生年
明治32(1899)年4月15日

没年
昭和50(1975)年4月12日

出生地
秋田県由利郡玉米村

学歴〔年〕
東京帝大仏文科〔大正14年〕卒

経歴
東大在学中東京音楽学校選科でピアノを学び、クラウス・プリングスハイムに作曲を習った。昭和11年東京高等学校教授、24年東大教養学部教授、36年東京芸術大学教授、42年東海大学教養部教授。また日本現代音楽協会、日本音楽会、ユネスコ国内委員会などの役員も務めた。著書に「西洋音楽鑑賞」、訳書にリムスキー・コルサコフ「管弦楽法原理」、A.E.ハル「近代和声学の説明と応用」、ミュッセ「世紀児の告白」「二人の恋人」など多数、舞踊音楽、歌曲の作曲もある。


小松 清
コマツ キヨシ

昭和期の文芸評論家,フランス文学者



生年
明治33(1900)年6月13日

没年
昭和37(1962)年6月5日

出生地
兵庫県神戸市

学歴〔年〕
神戸高商中退

経歴
大正10年渡仏し、アンドレ・マルロオや、グエン・アイ・クォク(のちのホー・チ・ミン)の知遇を得る。昭和6年NRF日本派遣員として帰国行動主義文学運動をおこし、10年「行動主義文学論」「文化の擁護」を刊行。12年再度渡仏し、15年に帰国。16年12月から17年にかけて拘留されるが、17〜21年インドシナに渡り、ベトナム独立運動に参加。戦後はマルロオ文学を多く翻訳して紹介し、また日本ペンクラブの再建などに力をそそいだ。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小松清」の意味・わかりやすい解説

小松清
こまつきよし
(1900―1962)

評論家、仏文学者。神戸生まれ。神戸高商(現神戸大学)中退後、1921年(大正10)渡仏し、アンドレ・マルローの知遇を得た。1931年(昭和6)帰国後、マルロー、ジッドなどの作品を翻訳紹介し、34年の「行動主義文学論争」に参加、『行動主義文学論』(1935)を刊行した。37年『報知新聞特派員としてふたたび渡仏し、40年帰国後『沈黙の戦士――戦時下のパリ日記』(1940)を刊行。戦時中はフランス領インドシナに4年間滞在し、ベトナム独立運動に参加して46年帰国。半自叙伝小説『ヴェトナムの血』(1954)を著した。

[神谷忠孝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小松清」の解説

小松清(2) こまつ-きよし

1900-1962 昭和時代のフランス文学者,評論家。
明治33年6月13日生まれ。大正10年渡仏,マルローと知りあう。帰国後,舟橋聖一らと行動主義文学運動をおこす。昭和12年「報知新聞」特派員として再渡仏。戦時中ベトナムに滞在し独立運動に参加。戦後は国際文化交流につくした。昭和37年6月5日死去。61歳。兵庫県出身。神戸高商中退。著作に「ヴェトナムの血」,訳書にマルロー「征服者」など。

小松清(1) こまつ-きよし

1899-1975 昭和時代の音楽評論家,フランス文学者。
明治32年4月15日生まれ。小松耕輔の弟。東京帝大在学中に東京音楽学校(現東京芸大)でピアノと作曲をまなぶ。昭和24年東大教授。のち東京芸大,東海大の教授。フランス音楽の紹介につとめた。昭和50年4月12日死去。75歳。秋田県出身。著作に「西洋音楽の鑑賞」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「小松清」の解説

小松 清 (こまつ きよし)

生年月日:1900年6月13日
昭和時代の文芸評論家;フランス文学者
1962年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の小松清の言及

【反ファシズム】より

… このような西欧における運動は日本の知識人にも影響を与えずにはおかなかった。〈反ファシスト知識人監視委員会〉の運動を紹介した,1934年10月の小松清の〈仏文学の一転機〉は大きな反響を呼び,知識人の行動と連帯が雑誌《行動》を中心に広く論議されるが,左翼教条主義の立場からの攻撃で翌年半ばには反ファシズム戦線の萌芽は踏みにじられてしまう。次いでフランスの人民戦線政府に触発されて36年から37年にかけて,舟橋聖一らの〈行動文学〉,林房雄の〈独立作家クラブ〉,1935年成立の〈日本ペンクラブ〉,京都の中井正一らの《世界文化》と《土曜日》などの雑誌,新聞,組織,さらに三木清,中島健蔵,清沢冽らの個人が,ヒューマニズムの提唱というかたちでファシズムへの抵抗を呼びかけるが,37年の日中戦争開始とともに,それらの動きはことごとく一掃されてしまうのである。…

※「小松清」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android