山口県のほぼ中央,椹野(ふしの)川の中流部に位置し,山口市の主要部を占める盆地。北東方向に走る津和野-岐波(きわ)構造線に沿って発達した埋積盆地で,上流につづく宮野盆地や支流仁保(にほ)川沿いの大内盆地を含めることもある。盆地の北西側には山陰,山陽の分水界であり,周防,長門の国境をなす西鳳翩(にしほうべん)山(742m)がそびえ,南東側は丘陵地で囲まれている。狭義の山口盆地は東西4km,南北5kmの袋状の地形をなし,盆地床は標高10~30m,椹野川河口部からわずか十数km入ったところであるが,内陸的な盆地気候を示し,気温較差が大きく,霧もよく発生し,北東~南西の海陸風の多いことも観測されている。山麓帯には弥生時代や古墳時代の遺跡が多く分布し,低平な盆地床には古代の条里制遺構が500町以上も残されている。この盆地の北東隅の一の坂川の扇状地上に,室町時代大内氏によって京都に模した町づくりが行われ,山口の市街地の起源となった。明治以降は山口県庁の所在地となったが,内陸にあるため工業化は進展せず,現在も政治・文教的機能を中心とした田園都市である。
執筆者:三浦 肇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
山口県のほぼ中央、椹野(ふしの)川の中流に開けた盆地で、山口市の中央部を占める。北東方向に走る構造線に沿って沈降した埋積低地で、下流の仁保津狭隘(にほづきょうあい)によって袋状の地形となり、東西約4キロメートル、南北約5キロメートルで平坦(へいたん)な盆地床の高度は10~30メートル。瀬戸内沿岸からわずか十数キロメートル入った盆地で、北東―南西の海陸風の多いことが観測されているが、気温較差は大きく、霜日数や霧日数も多く、かなり内陸性の盆地気候を示す。山麓(さんろく)帯には弥生(やよい)・古墳期の遺跡が多く、低地一帯には500町以上に及ぶ古代条里制の遺構が広く認められる。北隅から張り出した一ノ坂川扇状地上に山口市街地が発達している。
[三浦 肇]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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