冬季、新潟県や北陸地方で、平野部よりも山間部の広い範囲に長時間にわたって多く降る雪。里雪に対することば。日本付近への大陸性高気圧の張り出しが強く、いわゆる西高東低の気圧配置のとき、シベリアから南下する寒気団は、日本海を渡るとき多量の熱と水蒸気の供給を受けて変質する。この変質気団が日本の脊梁(せきりょう)山脈(中央山脈)を越えるとき、強制上昇させられるために、山地を中心に降る雪が山雪である。1980年(昭和55)12月下旬から1981年1月中旬にかけて降った山雪型豪雪では、富山県五箇山(ごかやま)地方で積雪深は4メートルを超え、各地で雪崩(なだれ)が発生した。
[前野紀一]
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…日本付近では縦縞模様の等圧線が南北に走り,北西の季節風が強い。日本海側では,曇りで雨,雪の所が多く,山間部を中心に大雪が降る(山雪型の大雪)が,太平洋側では北西の空っ風が吹き晴天となり乾燥する。南西諸島では北東の風で雲が多く,にわか雨が降りやすい。…
…しかし,なぜ雪の結晶形が温度によって角板になったり,針になったり,角柱になったりするのかの詳しいメカニズムはまだ不明である。
[豪雪,山雪,里雪,雪が降るときの気象条件]
冬季シベリアから強い寒気団が南下して日本海の海上に出ると,雪の原料となる水蒸気を海面からたっぷり供給される。同時に大気は下層が暖められるので下が軽く上が重い不安定な状態となり,ついには激しい対流が起こって積乱雲の雪雲が発生する。…
※「山雪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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