日本歴史地名大系 「岩橋前山古墳群」の解説
岩橋前山古墳群
いわせまえやまこふんぐん
当古墳群はこの大正時代の調査範囲、つまり古墳群東部分の前山A地区、それ以外の前山B地区に分けられる。東西に走る尾根上には、東から前山A七号墳など八基の円墳、この群より西一五〇メートルの尾根にA一号墳など五基の円墳群、その西一〇〇メートルにB一号墳などの円墳群、さらに西に順にB五三号墳(将軍塚)・B六七号墳(知事塚)・B一一二号墳(郡長塚)の三基の前方後円墳が築かれ、B一一二号墳の西一〇〇メートルにB一三〇号墳などの円墳群がある。このA・B両地区が岩橋千塚古墳群として国の特別史跡となっている。
〔A地区〕
A一号墳など五基は標高一五〇メートルの頂上にあり、二メートル平方の横穴式石室を主体とする。この群から北斜面の支脈は約一〇〇メートル北、標高一一〇メートルの地点まで古墳は稀有で、空間地帯である。この地点にはA六七号墳・A六五号墳がある。支脈はさらに三方に分れ、東の支脈にはA四六号墳などの一七基、中央の支脈にはA一七号墳・一三号墳・二三号墳・二四号墳など三二基の円墳、西の支脈にはA九九号墳・一〇〇号墳・一一一号墳など四一基がある。
A六七号墳は円墳としては大型のもので、石室全長七メートル、玄室の長さ三・九メートル、幅二・二五メートル、高さ三・三メートルで、棚と二本の梁をもつ。棚の下には板石で石槨を組み、棺台を設けている。A六五号墳は径二〇メートルほどで、二基の竪穴式石室が東西に並列しており、両者ともに長さ三・四メートル、幅〇・九メートル、高さ〇・七メートルほどで、
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報