岳陽(読み)ガクヨウ

デジタル大辞泉 「岳陽」の意味・読み・例文・類語

がくよう〔ガクヤウ〕【岳陽】

中国湖南省洞庭湖の北東岸にある河港都市交通要地鉄鋼機械などの工業、米・茶などの栽培が盛ん。旧称岳州がくしゅうユエヤン人口、行政区91万(2000)。

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精選版 日本国語大辞典 「岳陽」の意味・読み・例文・類語

がくようガクヤウ【岳陽】

  1. 中国の地名湖南省の北部にある都市。洞庭湖東北端に臨み、揚子江へつらなる水路の口にあたり、交通の要衝。風光明媚で知られる。岳陽城。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岳陽」の意味・わかりやすい解説

岳陽
がくよう / ユエヤン

中国、湖南(こなん)省北東部の地級市。人口563万3000(2014)。3市轄区、4県を管轄し、汨羅(べきら)など2県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。両湖(りょうこ)平原南部の洞庭湖(どうていこ)の湖岸に位置し、市の北方の城陵磯(じょうりょうき)で湖水長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))に流入している。隋(ずい)の岳州、元の岳州路、明(みん)、清(しん)の岳州府治で、1961年岳陽県の一部を割いて市制施行、翌1962年ふたたび同県に編入されたが、1975年市に復した。

 湖南省北部の水陸交通の要地で、物流業が盛んである。省唯一の長江沿岸の港湾で、1996年国際貿易港として開放された。京広線に加え、京広高速鉄道(2012年開通)、京港澳(けいこうおう)高速道路(北京(ペキン)―香港(ホンコン)―マカオ)が通る。製紙、機械、建築材料、石油化学工業などの工場の立地する工業都市である。周辺地区では米、ワタ、茶を産出し、魚の養殖や養豚も盛んである。市西門の城楼「岳陽楼」沖合いの洞庭湖中にある君山(くんざん)は史跡で、茶の産地としても有名である。

[河野通博・編集部 2016年12月12日]


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改訂新版 世界大百科事典 「岳陽」の意味・わかりやすい解説

岳陽 (がくよう)
Yuè yáng

中国,湖南省北東部,長江(揚子江)の南岸,京広鉄道(北京~広州)沿いにあり,洞庭湖に臨む新興工業都市。人口91万(2000)。1961年,岳陽県から分離して設置された。62年撤廃されたが75年再び市が設けられた。臨湘市など2市,4県を管轄し,湖南省北部における水陸一貫運輸の要衝でもある。鉄鋼,機械,建材,化学肥料などの工業が発達する。市の西門の城楼は3層からなり岳陽楼と呼ばれる。城楼からは洞庭湖,君山を望むことができる。唐代に建てられ,宋の滕子京によって再建された。范仲淹の〈岳陽楼記〉で有名である。岳陽県は古代の麋子(びし)国にあたるといわれ,漢代には下雋(かせん)県に属した。南北朝時代巴陵県がおかれ,巴陵郡治であった。隋代以後岳州と呼ばれ,明以後岳州府治となった。1913年岳陽県と改められる。湖南全省の水路を扼(やく)する交通上の要地で,古来軍事的にも重視された。水稲二期作の盛んな水田地帯だが,丘陵部では茶が栽培され,〈君山茶〉〈北港茶〉の名で知られる。
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百科事典マイペディア 「岳陽」の意味・わかりやすい解説

岳陽【がくよう】

中国,湖南省北東部,洞庭湖東岸に臨み,北に長江をひかえる都市。旧名を巴陵,岳州という。1899年開港,宜昌,武漢,長沙,湘潭などの諸都市に汽船が通じ,特に茶の移出港として有名。京広鉄路に沿い,商業も盛ん。城西門上の岳陽楼からの展望は著名。107万人(2014)。

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