翻訳|talus
崖や急斜面の基部にみられる岩屑の集積体。テーラスともいう。基盤岩からおもに機械的風化によって剝離した岩屑が,空中を落下したり,急斜面上を転落,滑落してその脚部をおおうように堆積したもの。大量の岩屑が一時に落下する山崩れとは区別される。急斜面の上部に漏斗状の溝ができると,その周りからの岩屑が1ヵ所に集中するので,その前面に形の整った半円錐形の高まりをつくる。複数の崖錐が互いに接して並んでいるものを複合崖錐という。溝のない平滑な崖面全体から同じ割合で落下すれば,岩屑は崖の前面に一様な傾斜で堆積し,崖錐斜面をつくる。崖錐の傾斜は比較的急で,コロラド州のロッキー山脈では,26度から35度であるという。岩壁が植被によって保護されていない寒冷地域,乾燥地域,それに高山では,凍結破砕作用で岩屑ができやすく(周氷河地形),崖錐の発達がよい。日本では槍ヶ岳,穂高岳など日本アルプスの圏谷壁や氷食谷壁下に,現成のものが多数みられる。
執筆者:小疇 尚
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風化した岩屑(がんせつ)が、重力に従って急斜面を落下し、その底部に堆積(たいせき)した半円錐状の地形をいう。急な崖(がけ)の下に形成され、その上方には細粒の砂を、下方ほど大きい岩屑が堆積する。その表面の傾斜角は、最終的には岩屑安定角度によって決まる。岩屑の角張った物質の粒径が大きいほど傾斜角が大きくなるが、一般に25~40度の傾斜をとる。乾燥地域の急斜面の基部や、道路その他の切り割りの崖下に形成されることが多い。栃木県の旧足尾銅山周辺のはげ山の急斜面には多数の崖錐が発達している。
[市川正巳]
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