中国の歴史書『左伝(さでん)』(春秋左氏(しゅんじゅうさし)伝)、『国語』、『史記(しき)』、『漢書(かんじょ)』の4種の書をいう。日本の学者にとって、中国の歴史を知るための必須(ひっす)の書とされ、平安時代以後の文学に大きな影響を与えた。左丘明(さきゅうめい)の著作『左伝』は平安時代の大学寮に置かれた明経道(みょうぎょうどう)(経書(けいしょ)の専攻を内容とする学科)の教科書とされた。同じく『国語』は『左伝』と相補う国別の史書。司馬遷(しばせん)の『史記』、班固(はんこ)の『漢書』は紀伝道(きでんどう)(歴史、詩文の専攻を内容とする学科)の教科書であった。明経道から紀伝道へ、そして文章道(もんじょうどう)(漢詩文の研究、作成を内容とする学科)へと、時代とともに学生の関心が移るにつれて、政治、道徳に関する抽象的学問から、政治のための訓戒を学びとる史学へ、さらに詩文に用いる典拠としての事実を知るための学問へと、「左国史漢」を学ぶ目的が変わっていった。
[藤原高男]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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