幌延(読み)ほろのべ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「幌延」の意味・わかりやすい解説

幌延(町)
ほろのべ

北海道北部、宗谷(そうや)総合振興局管内の町。1960年(昭和35)町制施行。日本海に面する。JR宗谷本線が通じ、国道40号が西部南北に走り、232号が分岐する。地名はアイヌ語のポロヌプ(大きい野原の意)に由来する。南縁を天塩(てしお)川が流れ、東部山地は北海道大学天塩研究林が広大な面積を占め、西部にはサロベツ原野が広がる。乳牛約8700頭(2015)を有する酪農が町の経済を支え、幌延市街には大規模な乳業工場が立地する。畜産振興策の一つとしてトナカイなどを飼育するほろのべトナカイ観光牧場があり、観光施設ともなっている。原野にはパンケトウなどの湖沼があり、利尻礼文(りしりれぶん)サロベツ国立公園の一部で、ラムサール条約登録湿地。国道40号に沿う名山台はサロベツ原野の好展望施設。面積574.10平方キロメートル、人口2371(2020)。

岡本次郎

『『幌延町史』(1974・幌延町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「幌延」の意味・わかりやすい解説

幌延[町] (ほろのべ)

北海道北部,日本海側にある留萌(るもい)支庁天塩(てしお)郡の町。人口2677(2010)。地名はアイヌ語の〈ポロ・ヌ(大きい・野原)〉に由来する。天塩川の下流北岸に位置し,東部に宗谷丘陵,西部には下サロベツ原野の低湿な泥炭地が広がる。中心市街は天塩川が屈曲する幌延駅付近にあり,JR宗谷本線が通り,国道40号線と232号線の分岐点でもある。明治中期に天塩川流域に入植者があり,開拓が始まる。北部は天北炭田に含まれ,1908年幌延炭鉱が開発されたが,エネルギー政策の転換などにより閉山した。酪農が町の経済を支え,大規模な乳業工場も立地する。北西部はサロベツ原野と遠くに利尻島を一望する名山台や,ペンケ沼(とう),パンケ沼などがあり,利尻礼文サロベツ国立公園に含まれる。
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百科事典マイペディア 「幌延」の意味・わかりやすい解説

幌延[町]【ほろのべ】

北海道北部,天塩(てしお)郡の町。宗谷本線が通じる。天塩川下流の平野を占め,一部は日本海に面する。北西部のサロベツ原野の開拓と酪農経営の普及により農業生産が高まった。花卉(かき)栽培などを行うほか,乳製品,化学などの工業がある。2005年にサロベツ原野がラムサール条約登録湿地となる。574.10km2。2677人(2010)。

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