幸田村(読み)こうだむら

日本歴史地名大系 「幸田村」の解説

幸田村
こうだむら

[現在地名]岩井市幸田

馬立またて村の南に所在。村内を飯沼いいぬま川が流れる。伊勢神宮領相馬御厨の西限は大治五年(一一三〇)の下総権介平経繁私領寄進状案(櫟木文書)に「廻谷并東大路」、天養二年(一一四五)の源某寄進状案(同文書)に「繞谷并目吹岑」とあるが、このめぐり谷・めぐり谷は菅生すがお沼と考えられ、当村域は相馬御厨に含まれていたと推定され、戦国期に成立したと推定される覚(宗任神社蔵)に、「一 くうたのかう 廿参貫文 ミねんく 八貫文 夫銭 五十(ママ) はかり物」とみえることから、宮田くうたが幸田に転訛したものと思われる。


幸田村
こうだむら

[現在地名]栗野町幸田

恒次つねつぐ村の南西に位置し、川内せんだい川支流幸田川の中・上流域山間を占める。国見くにみ岳・安良やすら岳を境に南は横川よこがわ上之かみの(現横川町)。幸田は高田・桑田とも書いた。大口筋が通る。寛文四年(一六六四)の郡村高辻帳には高田村とみえ、高四五七石余、「三州御治世要覧」でも高田村とあり、「桑田共」との注があって、延享(一七四四―四八)頃の高七二三石余。旧高旧領取調帳では高七六九石余。寛政五年(一七九三)書写の「栗野由来記」では幸田村とある。伊地知季通の栗野踊溝辺横川廻勤雑記(地誌備考)によると幸田川は江戸時代には高津木川とよんでいて、沿岸の水田地帯を潤し、土橋も二ヵ所架かっていた。


幸田村
こうでむら

[現在地名]松戸市幸田・幸田一―五丁目

中金杉なかかなすぎ村の北、下総台地の西端部に位置する。集落は台地上にあり、台地の北から西側をさか川が流れる。「本土寺過去帳」一八日の妙慶尼に「カウテン サヽ殿家中」と注があり、康正三年(一四五七)七月の年紀がある。慶安年間(一六四八―五二)頃の成立といわれる高城胤忠旧知行高付帳に「幸田村高弐百弐拾九石」とある。元禄一三年(一七〇〇)頃の下総国各村級分では高二三八石余、旗本長坂・川村・朝比奈の三氏相給。旧高旧領取調帳では長坂領高一〇〇石・川村領高三三石・朝比奈領高一〇五石余。なお慶安四年の年貢割付状(松戸市立博物館蔵)が残るが、朝比奈領分のものと思われる。


幸田村
こうだむら

[現在地名]東村幸田

新利根川が村の中央を東流する。北部は台地、南部は低地で、西は福田ふくだ村。慶長七年(一六〇二)検地帳(岡野幸市氏蔵)に「古宇田村」とある。江戸時代は天領で、元禄郷帳の村高は六一七石余、天保郷帳では六二五石余であるが、幕末は四八九石余に減少する(各村旧高簿)。「新編常陸国誌」によれば、新利根川の両岸に堤防が築かれ、洪水の危険を防いでいる。

富士の下ふじのしたにある浅間せんげん神社(祭神木華咲耶姫命)は、社伝によると承平年中(九三一―九三八)駿河国浅間神社の分霊を幸田里の富士山の山頂に奉祀といい、明治四一年(一九〇八)村内根方ねがたの神明神社、原山はらやまの愛宕神社、みやの松尾神社、新利根川中の島姫神社、大塚台おおつかだいの琴平神社、だいの熊野神社、山中やまなか大山祇神社荒谷津あらやつの水神社を合併。


幸田村
こうだむら

[現在地名]東金市幸田

川場かわば村の東に位置し、南西を北幸谷きたごうや川が流れる。文禄三年(一五九四)の上総国村高帳に村名がみえ、高一三五石。元和五年(一六一九)から高一三五石余が北町奉行組与力給知となり、幕末まで同じ(「地頭所取扱村々記」小倉家文書など)。寛文八年(一六六八)の鷹場五郷組合帳では中村組に属した。寛政五年(一七九三)の上総国村高帳では高三〇七石余、家数七四。


幸田村
こうだむら

[現在地名]長与町高田郷こうだごう

長与村の南西に位置する。江戸時代は大村領の向地むかえちに属する。高田村とも表記され、長与村から分立したとされるが、史料により同村内の扱いとされる場合がある。慶長高帳では「高田村」として蔵入地のほか、西方衆の知行となっている。慶長一〇年(一六〇五)の大村領内高目録に幸田村とみえ、高三六〇石余で、田二九町八反余・畠三町一反余、物成一九八石余。同一七年の総検地では高四六七石余で(同一八年彼杵郡内検高目録)、朱印高も同高とされた(元和三年「大村純頼領知目録」大村家記)


幸田村
こうだむら

[現在地名]花巻市幸田

高松たかまつ村の北東にあり、周囲を二〇〇メートル前後の山が取囲み、中央に耕地が開けた盆地状の村。東は和賀郡安俵あひよう(現東和町)など。天和二年(一六八二)の惣御代官所中高村付には蔵入高一五五石余とあり、七ヵ年平均の免は二ツ八分八厘五毛。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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