仏教行事で寺院の前庭など,堂外に会場(えじよう)を拡大して儀礼を行う場合,庭儀,または〈にわのぎ〉という。宗祖の遠忌会(おんきえ),落慶法要などの大規模で丁重な法要に用いられ,多くの法要形式の中では最も重いものとされるが,法要の内容,流派などにより,設備や作法に多少の違いがある。寺院の堂外の儀礼と,堂内の儀礼が密接にかかわりながらとり行われるが,たとえば法要と舞楽が並行して行われる庭儀舞楽法要の場合は,仏教儀式と舞楽が,堂内と堂外の舞台を用いて有機的に構成される。庭儀には行道(ぎようどう)を伴い,堂内に入場する僧侶は2列に並んで〈庭讃〉の声明曲(しようみようきよく)を,また散華行道の場合は《唄(ばい)》《散花》などの曲を唱誦する。とくに導師や読師,講師(こうじ)は傘をさしかけられたり,輿(こし)に乗って入場し,僧侶の装束も盛装になるなど,すべてが大がかりに行われる。なお,これらの大法要で,僧侶が入堂するときの行道を庭儀式と呼ぶことがある。
執筆者:高橋 美都
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…仏教行事で寺院の前庭など,堂外に会場(えじよう)を拡大して儀礼を行う場合,庭儀,または〈にわのぎ〉という。宗祖の遠忌会(おんきえ),落慶法要などの大規模で丁重な法要に用いられ,多くの法要形式の中では最も重いものとされるが,法要の内容,流派などにより,設備や作法に多少の違いがある。…
…なかでも舞楽法要は,堂舎の前庭にとくに舞台をしつらえ,華やかに舞が舞われるから,法要もそれぞれの宗派の代表的な法要を大がかりに勤修することが多く,道場に出仕する前に堂外で行う儀式を加えたり,舞楽台を含む屋外で法要を勤修したりする。このような場合をとくに庭儀(ていぎ)舞楽法要(庭儀)と称し,あまたの法要形式の中で最も大がかりなものの一つである。 また日蓮宗の本門寺御会式(おえしき)は,団扇(うちわ)太鼓を叩き題目を唱えて熱狂する在家の大群集が僧侶の法要を圧倒して行事を形成しており,真言宗や浄土宗の一部寺院(即成院,当麻寺,浄真寺)で行われる二十五菩薩来迎会では,在家の有志が二十五菩薩に扮して来迎のさまを再現し,行事の主眼はここにおかれる。…
※「庭儀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新