忍坂(読み)オサカ

百科事典マイペディアの解説

忍坂【おしさか】

奈良県桜井市の東部,外鎌(とかま)山西麓の古代以来の地名。恩坂,押坂とも書き,〈おさか〉ともいう。遺称地である桜井市忍阪は〈おっさか〉。地名〈忍坂〉は《日本書紀神武天皇即位前紀や垂仁天皇39年10月条にみえ,後者の記事によるとこのとき大刀1千口を新たに作らせ,〈忍坂邑〉に収蔵したのち石上(いそのかみ)神宮(現奈良県天理市)に移している。また5世紀ころとみられる和歌山県隅田(すだ)八幡神社蔵の隅田八幡人物画像鏡銘文に〈大王男弟王在意柴沙加宮〉とあり,これは継体天皇が〈意柴沙加(おしさか)宮〉にいたことを示すものとも考えられる(意柴沙加宮を人名とする説もある)。允恭天皇后妃忍坂大中姫〉や敏達天皇の皇子〈押坂彦人大兄皇子〉は当地に宮を営んだと推定され,舒明天皇の陵墓(押坂内陵)も設けられている。律令制下では城上(しきのかみ)郡に属して忍坂郷となり,中世には忍坂荘,近世には忍坂(恩坂)村があった。式内社〈忍坂坐生根(おしさかにいますいくね)神社〉がある。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

おしさか【忍坂】

奈良県桜井市東部の歴史地名。押坂,恩坂とも書き,おさかともいう。忍坂邑の名は古く《日本書紀》神武即位前紀,垂仁紀にみえ,最古の金石文の一つである隅田(すだ)八幡人物画像鏡の銘文に〈意柴沙加宮(おしさかのみや)〉の名が認められる。允恭天皇の后妃,忍坂大中姫(おおなかつひめ)や敏達天皇の皇子,押坂彦人大兄皇子は忍坂に宮を営んだともいわれ,皇子の妃,糠手姫(あらてひめ)皇女や子の舒明天皇の陵墓もこの地に置かれたという。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

おさか【忍坂】

奈良県桜井市忍阪おつさかの古名。神武東征伝説では、天皇の命で道臣命みちのおみのみことが酒盛り中の賊を殺した所。おしさか。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

おさか【忍坂】

奈良県桜井市忍阪(おっさか)の古名。神武天皇が道臣命(みちのおみのみこと)に命じて、酒盛り中の賊を征伐させた所といわれる。おしさか。
※古事記(712)中・歌謡「意佐加(オサカ)の大室屋に 人多(さは)に 来入り居り」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

寒暖差アレルギー

寒暖の差により鼻の奥の毛細血管が詰まり、鼻の粘膜が腫れることで起きる鼻炎。医学的には血管運動性鼻炎の一種とされる。多くの場合秋から冬にかけて1日の寒暖差が大きい時期や冷房による急な温度変化などにより起...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android