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石上神宮(読み)いそのかみじんぐう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

石上神宮
いそのかみじんぐう

奈良県天理市布留にある,もと官幣大社。「記紀」の神武天皇東征神話に登場する布留御魂 (布都御魂〈ふつのみたま〉とも書く) 剣を祀る。国家鎮護神または氏神として,物部氏 (のちの石上氏) が代々祭祀にあたった。垂仁天皇のとき,剣 1000振りを奉納するなど,武器に関する伝承が多い。これは大和朝廷の軍事を担当したという伝承をもつ物部氏の氏神であったためと思われる。嘉祥3 (850) 年,正三位。貞観9 (867) 年,正一位の神階を授与され,大和随一の神社で二十二社の一つ。社宝には,日本最古の銘文をもつ国宝の七支刀 (しちしとう) などがあり,拝殿 (国宝) の後方の禁足地からは,長期にわたる祭祀遺跡が発掘された。

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百科事典マイペディアの解説

石上神宮【いそのかみじんぐう】

奈良県天理市布留(ふる)に鎮座。旧官幣大社。祭神は布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)。この剣は,神武天皇の大和平定に先だち,天照大神が天皇に授け,物部(もののべ)氏がこれをまつって氏神としたと伝える。延喜式内の名神大社。かつて本殿はなく,拝殿の奥の禁足地が神聖な霊域とされていた。例祭10月15日。ほかに玉の緒祭(節分前夜),神剣渡御式,鎮魂祭などがある。社蔵に七支刀がある。
→関連項目忍坂垂仁天皇天理[市]大和青垣国定公園

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デジタル大辞泉プラスの解説

石上(いそのかみ)神宮

奈良県天理市にある神社。延喜式内社。祭神は布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)、布都斯魂大神(ふつしみたまのおおかみ)、布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)、五十瓊敷命(いにしきのみこと)、宇摩志麻治命(うましまじのみこと)、白河天皇、市川臣命(いちかわのおみのみこと)。拝殿、七支刀などは国宝に指定。

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世界大百科事典 第2版の解説

いそのかみじんぐう【石上神宮】

奈良県天理市に鎮座。古くは石上坐布留御魂(いそのかみにますふるのみたま)神社,また布都(ふつ)御魂神社,布瑠社などともよばれた。布都御魂大神をまつる。布都御魂大神は,またの名を甕布都(みかふつ)神,佐士布都(さじふつ)神ともいい,神武天皇が大和へ入るにあたって,熊野で難にあったとき,天照大神の命令で武甕槌(たけみかづち)神が天より下した神剣韴霊(ふつのみたま)の霊のことと伝える。神武天皇即位ののち物部(もののべ)氏の祖宇摩志麻治(うましまじ)命に命じて宮中でまつらせ,のち崇神天皇のとき,物部氏の伊香色雄(いかしこお)命に命じて現在地に移しまつらせたという。

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大辞林 第三版の解説

いそのかみじんぐう【石上神宮】

奈良県天理市にある神社。祭神は布都御魂ふつのみたまの剣。国宝七支刀を所蔵。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

石上神宮
いそのかみじんぐう

奈良県天理市布留(ふる)町布留山に鎮座。布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)を主神に、布都斯魂大神(ふつしみたまのおおかみ)、布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)、五十瓊敷命(いにしきのみこと)、宇摩志麻治命(うましまじのみこと)、白河(しらかわ)天皇、市川臣命(いちかわのおみのみこと)を祀(まつ)っている。記紀によると、神武(じんむ)天皇即位元年、建国にあたって功績のあった天剣の威霊を布都御魂大神として宮中に奉祀(ほうし)したが、その後の崇神(すじん)天皇7年11月、物部(もののべ)の祖、伊香色雄命(いかがしこおのみこと)が勅により布留御魂大神を、石上布留高庭(たかにわ)の地に移し祀ったのを当宮の初めとする。以来、物部氏歴代の奉仕するところとなり、垂仁(すいにん)天皇39年に五十瓊敷命が剣1000口をつくり、神倉(ほくら)に納めた。神戸(かんべ)については、『続日本紀(しょくにほんぎ)』に神封50戸、『新抄格勅符抄』に80戸とある。867年(貞観9)に神階正一位、延喜(えんぎ)の制では名神(みょうじん)大社に列し、祈年(としごい)、月次(つきなみ)、相嘗(あいなめ)、新嘗(にいなめ)の祭にあずかった。平安末期には、鎮魂祭のために白河天皇が宮中の神嘉殿(しんかでん)を寄進した。中世期には、武士乱入により社頭の破壊や、社禄(しゃろく)の没収などにあった。また御神体の布都御魂剣(つるぎ)は、いつの世か拝殿背後に埋められ、長い間その場所は禁足地とされてきた。1874年(明治7)に禁足地は発掘され、玉類、武具、装飾具など多数の宝物類が発見された。旧官幣大社。例祭は10月15日で、白河天皇の勅使参向に起源するものという。6月30日に神剣渡御祭、10月1日に榜示浚(ぼうじさらえ)神事、10月22日に鎮魂祭、玉の緒(たまのお)祭などが行われる。
 拝殿、摂社出雲建雄(いずもたけお)神社拝殿、百済(くだら)王が奉ったと伝える七支刀(ななつさやのたち)が国宝に、楼門、禁足地出土品、鉄楯(てつじゅん)、色々威(いろいろおどし)腹巻などが国の重要文化財に指定されており、その他多くの文化財がある。[落合偉洲]

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世界大百科事典内の石上神宮の言及

【七支刀】より

…奈良県天理市の石上(いそのかみ)神宮に古来より神宝として伝えられた鉄剣。全長74.9cm。…

【高倉下】より

…よって夢の教えのままに献上したのだという。この刀は〈フツノミタマ〉といい,大和の石上(いそのかみ)神宮に納められたとも語られている。石上神宮は物部(もののべ)氏の祭る神でここにはさまざまな鎮魂の神宝が蔵されていた。…

【鎮魂祭】より

…もと宮内庁で行われたが,現在は宮中三殿内の綾綺殿(りようきでん)で行う。宮中のほか,奈良県の石上(いそのかみ)神宮,新潟県の弥彦神社,島根県の物部神社などでも,鎮魂祭が行われている。【沼部 春友】。…

※「石上神宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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