念ずる(読み)ネンズル

デジタル大辞泉 「念ずる」の意味・読み・例文・類語

ねん・ずる【念ずる】

[動サ変][文]ねん・ず[サ変]
物事成就などを強く願う。「成功を―・ずる」
心の中で神仏に祈る。また、経文名号などを心の中で唱える。「如来済世を―・ずる」「弥陀の名号を―・ずる」
耐え忍ぶ。こらえる。
「をりをりごとにえ―・じえず、悔しきこと多かめるに」〈帚木
[類語]思う願うこいねが望む求める欲する念願する願望する希求する希望する庶幾する切望する切願する熱望する熱願する

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精選版 日本国語大辞典 「念ずる」の意味・読み・例文・類語

ねん‐・ずる【念】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ねん・ず 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. 神仏に対し、災厄から身を守ってくれるよう、願いをかなえてくれるよう心の中で祈る。また、経文や呪文などを心中に唱える。
    1. [初出の実例]「心の中に己れにあひ見んとねんじ給へ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
    2. 「咒文を念じ、唵毒変蛇寧吽莎賀と唱れば」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)続)
  3. たえしのぶ。じっとこらえる。我慢する。
    1. [初出の実例]「心さかしき者、ねんじて射んとすれども」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  4. 常に心にとめて思う。強く願って思い続ける。

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