願う(読み)ネガウ

デジタル大辞泉 「願う」の意味・読み・例文・類語

ねが・う〔ねがふ〕【願う】

[動ワ五(ハ四)]《「ね(祈)ぐ」の未然形+反復継続の助動詞」から》
神仏に、希望の実現することを祈る。祈請する。願をかける。「神前合格を―・う」
望みがかなうように請い求める。望み求める。「成功を心から―・う」
こうしてほしいことを人に頼む。助力配慮を求める。「手伝いを―・う」「ご援助を―・う」
公の機関に希望することを申請する。請願する。「国有林の払い下げを―・う」
商店で、品物を客に買ってもらう。「お安く―・っております」
動詞の連用形や動作性のある漢語名詞などに付いて、「…していただく」などの意を表す。「ぜひともお越し―・います」「ぜひ出席―・いたい」
[可能]ねがえる
[類語](1祈る拝む祈願する祈念する誓願する立願する発願ほつがんする願を掛ける願を立てる/(2こいねが望む求める欲する念ずる念願する願望する希求する希望する庶幾する切望する切願する熱望する熱願する思う待ち遠しい待ちどお待ち望む待ちあぐむ待ちわびる待ち焦がれる待つ待ち構える待ち受ける控える待ち設ける待ち伏せる待ちあぐねる待ちくたびれる待ち明かす待ち伏せ待ちぼうけ待機心待ち鶴首かくしゅ満を持する手薬練てぐすね引く首を長くする爪を研ぐ身構える身構えスタンバイ控え待ち兼ねる待望一日千秋腕をさする腕をしびれを切らすそわそわ待てど暮らせど待ち切れない/(3請う仰ぐ頼む懇願する懇請する懇望する要求要望要請請求注文迫る求める所望ちょうする催告せがむせびるねだる強要強請請託依頼ゆすり請い求めリクエストアンコール/(4願い出る請願する出願する申請する陳情する依願懇請懇願切願哀願嘆願誓願志願併願宿願念願悲願宿望

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「願う」の意味・読み・例文・類語

ねが・うねがふ【願】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙 ( 動詞「ねぐ(請)」に反復・継続の助動詞「ふ」が付いてできたもの )
  2. 神仏に望むところを請い求める。いのる。祈願する。
    1. [初出の実例]「泡沫(みつぼ)なす仮れる身そとは知れれどもなほし禰我比(ネガヒ)つ千歳の命を」(出典:万葉集(8C後)二〇・四四七〇)
    2. 「さざれいしにたとへ、つくば山にかけてきみをねがひ」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
  3. 特に、極楽往生を求めて信心する。
    1. [初出の実例]「のちの世にねがひ侍ところのありさまも思ふ給へやらるる夜のさまかな」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
    2. 「露と消えば蓮台野にをおくりおけねがふ心を名にあらはさん」(出典:山家集(12C後)中)
  4. 心の中で望ましい物事の実現や獲得を請い求める。のぞむ。ほしがる。希望する。
    1. [初出の実例]「世の人の 貴(たふと)び慕(ねがふ) 七種(ななくさ)の 宝も我は 何せむに」(出典:万葉集(8C後)五・九〇四)
    2. 「遠く前の非を愧(は)ぢ、長に後の善を祈(ネカフ)」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
  5. 上位の者や役所などに処置をしてくれるよう希望を申し立てる。請願する。願い出る。訴え出る。
    1. [初出の実例]「私は此度お願ひ申上げし御領内助作が従兄弟」(出典:浄瑠璃・大経師昔暦(1715)下)
  6. 他の人に助力や配慮などを求める。たのむ。「ご援助をねがう」「お静かにねがいます」など。
    1. [初出の実例]「『なあ、品行は?』〈略〉『其点は私にも解りかねます。一つ糺して見ませう』『何分願(ネガ)ひます』」(出典:二人女房(1891)〈尾崎紅葉〉上)
  7. 商店で、品物を客に買ってもらう。
    1. [初出の実例]「今日のところ、特別ほんのかき賃にもならない一円でもってねがっておきます」(出典:彼女とゴミ箱(1931)〈一瀬直行〉絵を文字にかく)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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