情報公開(読み)じょうほうこうかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「情報公開」の解説

情報公開
じょうほうこうかい

公文書公開ともいう。あらかじめ情報の公開基準を定め,行政機関裁量の範囲をせばめることにより,住民知る権利にこたえ,その公開を義務づけ,公正で民主的な行政を確保しようとするもの。アメリカの情報の自由化法 (1966制定,74改正) をはじめ,ドイツ,スウェーデンなど世界 10ヵ国以上で法制化されている。日本でも 1980年代に入り行政情報の公開を制度化すべきだとの認識が広まり,82年に山形県金山町が文書公開条例を制定したのを皮切りに,神奈川県や埼玉県,東京都,政令指定都市,特別区,主要市など,自治体レベルでの情報公開が進んでいる。多くの自治体で条例や要綱により制度化されており,首長の交際費や中学校内申書の公開などを求める請求が目立つ。しかし,プライバシー保護の問題や行政の円滑な運営という壁があり,開示・非開示の判断は自治体によってまちまちであるため,訴訟に発展するケースも少くない。一方,国レベルでは 98年3月に情報公開法閣議決定され,3国会での継続審議を経て,99年5月成立した。

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知恵蔵「情報公開」の解説

情報公開

公正で民主的な行政を確保するため、行政機関が保有する情報を外部に開示すること。1980年代前半から始まった。地方公共団体での条例制定が先行し、これを国が追認する形で法律が制定された。開示の基準を定め、行政機関の裁量範囲を狭めることによって、住民の知る権利に応え、公正で民主的な行政を確保しようとするもの。プライバシーの侵害を防ぐための個人情報保護条例と並行して運用される。現在、請求による閲覧あるいは写しの交付は、執行機関議会公文書が中心であるが、議会の委員会や審議会、各種行政委員会、警察外郭団体の情報などの公開の必要性も指摘され、一部で既に実施されている。国の行政文書の原則公開を義務づける情報公開法が2001年4月から施行された。条例をもたない自治体は、最低限情報公開法並みの条例の作成を迫られている。

(北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)

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図書館情報学用語辞典 第5版「情報公開」の解説

情報公開

行政機関などが保有する情報の公開を法的に義務付けるとともに,これらの情報の公開を求める権利(知る権利)を制度的に保障すること.情報公開制度を最も早く導入した国はスウェーデンで1766年のことであったが,情報公開の世界的な流れを形成したのは,1966年に連邦レベルで「情報自由法」を制定した米国であるといわれる.日本では,1979(昭和54)年に情報公開制度の検討に着手した神奈川県を皮切りに,地方自治体情報公開条例の制定が活発化した.2001(平成13)年「情報公開法」が施行された.

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精選版 日本国語大辞典「情報公開」の解説

じょうほう‐こうかい ジャウホウ‥【情報公開】

〙 行政機関などの持っている情報を国民が知りたい時に知ることができるようにすること。日本では、昭和五八年(一九八三)神奈川県で情報公開条例が制定されて以来、各都道府県、市町村に広がった。尚、平成一一年(一九九九)五月に情報公開法が成立、同一三年四月から施行。

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デジタル大辞泉「情報公開」の解説

じょうほう‐こうかい〔ジヤウホウ‐〕【情報公開】

行政機関などが保有している情報を、国民が知りたいときに自由に知ることができるようにすること。

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世界大百科事典 第2版「情報公開」の解説

じょうほうこうかい【情報公開】

広義には,中央ないし地方の政府機関がその保有する情報を外部のに供するいっさいの行為をいい,狭義には,広報活動のような〈情報提供〉と区別し,政府機関が国民の〈知る権利〉を保障する目的で法律ないし条例の規定によって国民の請求に基づきその保有する情報を開示することをいう。その主たる目的は,国民による行政の監視・統制と行政への参加とを容易ならしめることによって公正で開かれた行政を実現し,政府と国民の信頼関係を形成・維持することである。

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世界大百科事典内の情報公開の言及

【アクセス権】より

…しかし,最近はおもにコミュニケーション関係において使われる。その第1は情報公開に関するもので,公文書などの閲覧,謄写を求める権利を〈公情報へのアクセス権〉と呼んでいる。それは法的な権利であり,公共機関の裁量で行われる情報提供サービスとは異なる概念とされている。…

※「情報公開」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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