愛知県西端の市。2005年4月佐織(さおり),佐屋(さや)の2町と立田(たつた),八開(はちかい)の2村が合体して成立した。人口6万4978(2010)。
愛西市北東部の旧町。旧海部(あま)郡所属。人口2万2457(2000)。濃尾平野中南部にあり,南は津島市に接する。江戸時代,農家の副業として佐織縞(綿織物)の生産が盛んであったが,明治末期に毛織物に代わり,現在は毛織物工業が主産業となっている。農業は米作とともに野菜や花卉の栽培が盛んで,特にショウガの産地として知られる。名鉄津島線・尾西線,国道155号線が通り,交通の便がよいため,名古屋市のベッドタウンとして人口は増加を続けている。尾張六地蔵の一つに数えられる釜地蔵寺がある。
愛西市南東部の旧町。旧海部郡所属。人口2万9802(2000)。濃尾平野南部に位置し,北は津島市に接する。中心の佐屋は江戸時代,佐屋路の宿場町で,桑名へ渡る三里の渡しの基点として栄え,海東・海西両郡の109ヵ村を統轄する尾張藩の代官所も置かれた。木曾川の沖積低地にあって肥沃な土壌と水利に恵まれ,米作を中心にキュウリ,イチゴなどのハウス栽培やポットマム,シクラメンなどの施設園芸が盛ん。また古くからの織物業を主体に機械・金属や木材・家具などの工場が国道155号線,東名阪自動車道沿いに進出している。名古屋市の近郊に位置し,関西本線,近鉄名古屋線,名鉄尾西線が通ることから,住宅地化も進んでいる。
愛西市南西部の旧村。旧海部郡所属。人口8327(2000)。濃尾平野南部,木曾川下流東岸に位置する。木曾川河口の三角州に発達した輪中地帯で,水屋,船頭平閘門(せんどひらこうもん)など輪中景観が残る。早くから土地改良,内水面干拓事業などが行われ,米作を主体にれんこん生産や畜産が盛ん。近年花卉,イチゴ,トマトなどの施設園芸が伸びている。繊維工業,金属製品に加えて,漬物をはじめとする食品加工業も行われている。
愛西市北西部の旧村。旧海部郡所属。人口5011(2000)。濃尾平野西部,木曾川下流東岸に位置する。木曾川三角州地帯の輪中集落で,村内に石垣を築いて2階建てにした水屋式家屋が残る。肥沃な土壌と水利に恵まれ,古くかられんこんなどを生産する農業地帯で,近年は施設園芸が盛んとなり,イチゴ,トマトや花卉の栽培が伸びている。1969年開通した東海大橋付近には木曾川の河畔砂丘がみられる。
執筆者:萩原 毅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
愛知県西部にある市。西部は岐阜県と、南西部は三重県と接する。2005年(平成17)、海部(あま)郡佐屋町(さやちょう)、佐織町(さおりちょう)、立田村(たつたむら)、八開村(はちかいむら)が合併して市制施行、愛西市となる。市域は木曽川左岸の海抜ゼロメートル地帯を占め、とくに木曽川と佐屋川に挟まれた地域は古くから洪水に悩まされてきた。古い集落は旧佐屋川の自然堤防上や輪中(わじゅう)堤防上にあった。佐屋川は1897年(明治30)の鵜多須(うたす)切れの水害を契機に、木曽三川改修工事によって廃川(取水停止)となった。JR関西本線、名古屋鉄道津島線、同尾西(びさい)線、国道1号、155号が通じる。東名阪(ひがしめいはん)自動車道の弥富(やとみ)インターチェンジが近い。木曽川には北部に東海大橋(1228メートル)、南部に立田大橋が架かる。
北東部の勝幡町(しょばたちょう)には1504年(永正1)に織田信定(のぶさだ)が築いたと伝える勝幡城跡がある。信定を継いだ信秀(のぶひで)も居城し、信長はこの父の城で誕生した。1634年(寛永11)東海道の宮宿(みやのしゅく)(現、名古屋市熱田区)から分岐して当地の佐屋に至る脇往還(わきおうかん)佐屋路(さやじ)が開通、佐屋宿、佐屋湊(みなと)が整備された。佐屋宿には本陣もあり、佐屋湊から桑名(くわな)までは海路で3里。
旧佐織町域では江戸時代に参宮客相手につくった木綿の佐織縞(じま)を引き継ぐという地場産業の毛織物工業がある。耕地は水稲、温床栽培の芽ショウガ、低湿地での蓮根(れんこん)栽培、トマトやイチゴなどのハウス栽培、鉢花などの近郊農業が行われている。市域は名古屋市への通勤者が急増、名古屋市のベッドタウンとして発展している。面積66.70平方キロメートル、人口6万0829(2020)。
[編集部]
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