精選版 日本国語大辞典 「慣・馴・狎・熟」の意味・読み・例文・類語
な・れる【慣・馴・狎・熟】
〘自ラ下一〙 な・る 〘自ラ下二〙
① あるものや事態にたびたび出会ったり経験したりしたために常のこととなる。珍しくなくなる。
② たびたび行なってそのことに熟達する。習熟する。さらに、よく気がきく、巧みであるなどの意としても用いる。
※宇津保(970‐999頃)国譲上「中納言殿は、いとささやかになれたる人の、らうらうじきなり」
③ 親しむ。近付きになって、気持の上でも親しくなることをいう。
④ あまりにもなれなれしくふるまう。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※源氏(1001‐14頃)若菜下「はばかりもなく聞ゆ。心やすく、若くおはすれば、なれ聞えたるなめり」
⑤ 衣類などがからだになじむ。着なれて、ふだん着のように気楽に着こなせるさまについていう。
※万葉(8C後)九・一七八七「紐解かず 丸寐をすれば 吾が着たる 衣は奈礼(ナレ)ぬ」
⑥ 長く使って、古くなる。みすぼらしくなる。やつれる。
※源氏(1001‐14頃)蓬生「御調度どもを、いと古体になれたるが、昔様にてうるはしきを」
⑦ 食べ物などが新鮮でなくなる。腐る。
なれ【慣・馴・狎・熟】
① たびたび経験して常のこととなったり、平気になったりすること。また、たびたび行なってそのことに熟達すること。
※浄瑠璃・義経千本桜(1747)三「流石酢やの娘迚(とて)、早い馴(ナレ)とぞ見へにける」
② 長く使って古くなること。
③ すしなど、時間がたって味加減がよくなること。また、そのぐあい。熟成のぐあい。
※浄瑠璃・義経千本桜(1747)三「娘が漬た酢ならば、なれがよかろと、買にくる」
な・る【慣・馴・狎・熟】
〘自ラ下二〙 ⇒なれる(慣)
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